富士登山者マナー「許容できず」2割 山小屋管理者調査 山梨側5割、静岡側は1割…ルートで認識に差

2024年夏の富士登山者のマナーに対する山小屋の認識 昨夏の富士登山者のマナーについて、山小屋管理者の2割が「許容できない」と感じていることが、静岡、山梨両県がこのほど実施したアンケートで分かった。山梨県吉田口では5割近くに上った一方で、静岡県側3ルート(富士宮、御殿場、須走)は合わせて1割未満とルートごとに認識が大きく異なる状況も明らかになった。静岡県富士山世界遺産課は「本県側では改善傾向にあると思っていたが、ルートごとに認識が異なる。今夏の入山規制導入の効果を見たい」とし、調査を継続する方針。
 調査は昨秋、富士山の来訪者管理計画にマナーを測る指標を追加するかどうかを検討するために初めて実施した。山小屋41カ所の管理者38人のうち33人(吉田11人、富士宮8人、御殿場3人、須走11人)が回答した。
 昨夏の登山者のマナーを「許容できない」「やや許容できない」としたのは全体の22%。ルート別では吉田45%、本県側は9%(富士宮0%、御殿場33%、須走11%)だった。「許容できる」「やや許容できる」としたのは全体の54%。吉田54%、本県側50%(富士宮50%、御殿場33%、須走66%)だった。
 新型コロナウイルス感染拡大前と比較して改善した行動やマナーが「ある」と答えたのは44%で、56%が「ない」と回答した。吉田は「ある」27%、「ない」73%だったのに対し、富士宮は「ある」63%、「ない」38%と、対照的な傾向を示した。御殿場は「ある」33%、「ない」67%、須走は「ある」50%、「ない」50%だった。
 複数回答で、改善内容を聞くと「夜間登山者の減少」が7件で最多、「ごみ捨ての減少」6件、「その他」4件と続いた。一方、改善しなかったのは「全体的に」「ごみ捨て」が4件、「夜間登山」も2件あった。改善すべき行動と行為者を尋ねると、ごみ捨てが最多で8件、軽装7件、野宿と登山ルール違反が4件ずつだった。

「静岡新聞DIGITAL」は静岡新聞社が提供するニュースサービスです。静岡県内の政治、経済、事件・事故から地域の話題、高校野球、Jリーグなどのスポーツの最新情報を伝えます。

あなたにおすすめの記事

人気記事ランキング

ライターから記事を探す

エリアの記事を探す

stat_1