
富士山の山開きまであと2か月。静岡県内3つのルートでは、2025年の夏山シーズンから新たな登山規制が導入され、5月9日から、事前登録アプリの運用がはじまります。
<静岡県富士山世界遺産課 大石正幸課長>
「富士山の世界遺産としての価値ということも、もう一度認識していただくということを考えていただきたい」
静岡県内の富士宮、御殿場、須走の3ルートでの富士登山をめぐっては、静岡県が2025年の夏から、1人4000円の「入山料」の徴収や一部時間帯の通行規制などの登山規制を設け、さらに入山管理をするため、登山者に対して事前登録を義務付けます。
そこで8日、静岡県が発表したのは、この事前登録などに使うアプリ「静岡県FUJINAVI」です。このアプリは、7つの国の言語に対応し、入山料のオンライン決済ができるほか、登山中にGPSを使った位置情報も取得できます。さらに、登山に必須となる入山証を受け取るための登山マナーやルールなどの事前学習やテストを受けることができます。

このアプリ導入で、事故防止などが期待されますが不安要素もあります。同じく事前登録を行う山梨と比較すると、静岡が「義務」なのに対し、山梨は「任意」。さらに、入山できる条件や返金対応の手続きなどが異なるため、登山者への混乱が懸念されています。
<大石課長>
「入山料4000円や時間については統一に至ったけども、現状ではシステムの統一には至っていない。山梨県、あるいは環境省ともしっかり連携しながら、とにかく混乱がないように協力していきたい」
静岡県では今後、ホームページやSNSなどを中心にこのアプリの認知を広げていきたいとしています。また、スマホを持っていない人は現地での手続きも可能です。