宝永第1火口縁に立つ!

富士宮口5合目を出発し、6合目の山小屋から山頂に向かうルートをそれてしばらく進むと宝永山(標高2693メートル)が姿を現します。1707年の噴火でできた巨大な火口が口を開け、見る者を圧倒します。火口の底に降りて宝永山に続く一筋の道は火山特有のざくざくとした砂の急坂。汗を流してゆっくりと登っていきます。
宝永山からの絶景

富士山の山腹とはいえ、標高が高く遮るもののない宝永山からの眺めは格別です。晴れて雲がなければ駿河湾や県東部の街並み、伊豆半島などを一望できます。
振り返れば富士山頂

海とは逆方向に目を転じれば、富士山頂が目の前に迫ります。火口の縁の部分が荒々しく削られた様子などは富士宮ルートからは見づらく、噴火のすさまじさを実感させられます。
山腹を下り樹林帯へ

宝永山を後にして、宝永第1火口縁まで戻り水ケ塚駐車場方面への道を下っていきます。標高が下がると徐々に針葉樹の木立が現れ、御殿庭と呼ばれるエリアまで来ると周囲の光景が一変。本格的な樹林帯に入っていきます。
個性的な側火山を楽しむ

富士山には山頂や宝永山以外にも側火山と呼ばれる火口跡が数多く残っています。このうち、二ツ塚は上塚(1929メートル)、下塚(1804メートル)の2つの側火山が並び「双子山」とも呼ばれます。取材日は雲に隠れていましたが、天気が良い日に下塚に立つと上塚、宝永山、富士山頂の3つが連なる姿が見られます。上塚周辺はフジアザミやオンタデなど火山荒原に生える植物が茂り、遠くから見るとマーブル模様のような個性的な外観をしています。
こけむした深い森へ

二ツ塚から水ケ塚駐車場へ向かう須山口下山歩道に入ると森は次第に深さを増します。道沿いにこけむした倒木やブナの大木が次々と現れ、別世界に来たような感覚を味わえます。比較的平たんな道を進めば駐車場はもうすぐ。少し歩くだけで、気軽に絶景ポイントへアクセスできるのも富士山の山腹歩きの大きな魅力です。