
JR掛川駅構内の地場産品販売店「これっしか処」はファンを迎える看板を設置したり、楽曲を流したりと歓迎ムードを演出。在庫を多く確保し、各公演日は営業時間を午後10時まで延長する。市二の丸、ステンドグラス両美術館では9日から、公演のチケットを提示した人の入場料を割り引く取り組みを始めた。ぬいぐるみなどの「推し活グッズ」とステンドグラスを一緒に撮影する楽しみ方を提案する。運営する掛川市文化財団の今井武史事業部長(50)は「素通りしてしまうことも多い掛川。立ち寄ってもらう好機を生かしたい」と期待を寄せる。
すでに多くのファンが訪れた店舗もある。メンバーが以前食べたとされるプリンを販売する「治一郎掛川店」は10日、通常の2倍の約200個を用意したが、同日午後3時ごろに完売した。
これまでエコパでは、サッカーの日韓ワールドカップ(W杯)やラグビーW杯など大規模イベントの開催実績があり、今回も袋井、掛川両署が雑踏警備に当たる。
一方で、地元誘客への課題を挙げる声も。最終日の公演に向けてグッズを購入した袋井市の会社員脇阪絵美加さん(48)は「エコパができて多くの人が袋井に立ち寄ってくれるようになったが、近くに店も少なく、訪れた人はすぐに帰ってしまう」と愛野駅周辺を見渡した。掛川観光協会掛川支部の担当者も「コンサートが目的なので、市内観光地に誘導しにくい。まず駅の外に出てもらわなければ」と語る。