
「感無量だ」。大会実行委の竹内洋輔副理事長(47)=同市中央区=は国際大会が実現し、地元の海でプロサーファーの活躍が見られる喜びに胸を躍らせている。サーフィンは2021年の東京五輪で正式種目に選ばれるなど、国内でも注目度が高まっている。県内は御前崎市で国際大会が昨年開かれたが、浜松では未開催。数年前に国際大会の話が浮上したが、コロナ禍で泡と消えてしまった。念願の開催に向けて再び立ち上がろうと浜松のプロサーファーら有志が協力し、大会の誘致を実現させた。
市内のサーフショップ経営者やプロサーファーらでつくる大会実行委は国際大会とイベントの5日間を「濤祭(なみまつり)」と銘打って、波のうねりのように人や文化が交錯する複合型のイベントとして発信する。海岸近くの凧(たこ)場公園ではビーチスポーツや飲食など各種イベントを開催。竹内副理事長は「浜松まつりのような熱気をサーフィンでつくりたい。地域全体が盛り上がるきっかけにつなげたい」と話す。
豊かな自然環境とアクセスの良さから「ビーチ・マリンスポーツの聖地」を掲げる浜松市も運営に協力する。市スポーツ振興課の担当者は「マリンスポーツの世界大会は初めて。引き続き大会を浜松に誘致する機運を高めていきたい」と意欲を示す。
中田島海岸では大会の観覧を楽しめるほか、同公園でビーチサッカーやモトクロス体験教室、1泊2日の防災キャンプなどのブースを設ける。コンサートなど多彩なイベントを繰り広げる。
■地元選手、健闘誓う
大会には、地元のプロサーファーも出場する。大小さまざまな波が起こりやすいという遠州灘で“地の利”を生かし、活躍が期待される。浜松市中央区の三浦涼さん(27)は「地元の海で世界大会に挑戦することができ、とても光栄に感じる。最大限の力を発揮できるよう頑張りたい」と活躍を誓った。
同区の太田絢さん(21)は「お世話になっている方々が観戦に来る。感謝の気持ちを込めて、いいサーフィンを見せたい」と語る。同市浜名区の大橋寛子さん(52)は「同級生や家族、地元のサーファーなどいろいろな人に見てもらいたい」と新たな盛り上がりを期待する。