
同研究所によると、3月21日の漁解禁日から4月末までの主要7漁港(舞阪、新居、福田、御前崎、吉田、用宗、由比)の総水揚げ量は443・6トン。24年同時期の744・6トンに比べて約6割に、23年同時期の571・8トンに比べて約8割にとどまった。
例年、春先のシラス漁はマイワシとカタクチイワシが混じり合って網にかかるものの、今期はマイワシの比率が高いのが特徴という。同研究所は不漁の原因を「不明」とした上で、関連を調べる。
漁況は解禁日以降、低調続きで、4月下旬ごろからさらに不漁に陥った。静岡市駿河区の用宗漁港は5月1~6日の出漁を取りやめ、漁協直営店は生シラスを提供できない状況に。7日に漁を再開したが好転の兆しは見えず、清水漁業協同組合用宗支所の増田新支所長は「過去にない事態だ。巻き返せるといいが」と心配する。
期待材料に挙がるカタクチイワシの卵は4月8、9の両日に行った調査で、駿河湾口部から湾奥にかけて4335個採集された。昨年ほぼ同時期に実施した同様の調査では一つも確認されなかったという。
同研究所資源海洋科の岡田裕史上席研究員(49)は「海況次第で水揚げ量が増える可能性はある。黒潮の流路がどう変化するかなど注視していきたい」と話した。