ウナギがお得に食べられるかも! 今期は全国的に稚魚豊漁 静岡県内採捕も前年比3倍で大幅安

前年と比べ、大幅な安値水準で取引されているシラスウナギ 静岡県内でウナギの養殖に使う稚魚シラスウナギが昨年を大幅に下回る価格で取引されていることが19日、分かった。全国的に豊漁のためで、昨年3月に1キロ(約5千匹)220万円以上にまで上がった価格は、足元で30万円を割り込むなど7分の1程度にまで下がっている。稚魚が成長する夏以降、ウナギの小売り価格が安くなる可能性がある。県内の養殖業者は豊漁を歓迎する一方、出荷価格の低下が利益を圧迫するとの懸念も根強い。
 県水産資源課によると、今期の漁が始まった2024年12月から25年2月末までの採捕量は1540キロと、前年同期の519キロから約3倍に増加した。「全国的に前年より採れている。要因は分からないが、全体量が増えて取引単価が下がっている」(担当者)という。
 浜松市の養殖業者の男性は「稚魚の増加は大歓迎。おいしいウナギをたくさん育てたい」と期待を膨らませる。一方、別の養殖業の男性経営者は餌代などのコストが上がっていることを踏まえ、「仕入れが安くなったからと言って素直に喜べない。利益は減る可能性がある」と話す。
 浜名湖養魚漁業協同組合や養殖業者によると、今期のシラスウナギの取引は、序盤は高額だったが採捕量が増えた1月下旬から急落した。養殖業者は仕入れが比較的順調に進み、資源保護のため年間の上限量が設けられている稚魚の池入れは多くが終了間近という。
 同組合の外山昭広組合長は「稚魚の価格が落ちると、成長したウナギの出荷価格も低下するため養殖業者の利益の見通しが立てづらい」と指摘する。

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