
県水産資源課によると、今期の漁が始まった2024年12月から25年2月末までの採捕量は1540キロと、前年同期の519キロから約3倍に増加した。「全国的に前年より採れている。要因は分からないが、全体量が増えて取引単価が下がっている」(担当者)という。
浜松市の養殖業者の男性は「稚魚の増加は大歓迎。おいしいウナギをたくさん育てたい」と期待を膨らませる。一方、別の養殖業の男性経営者は餌代などのコストが上がっていることを踏まえ、「仕入れが安くなったからと言って素直に喜べない。利益は減る可能性がある」と話す。
浜名湖養魚漁業協同組合や養殖業者によると、今期のシラスウナギの取引は、序盤は高額だったが採捕量が増えた1月下旬から急落した。養殖業者は仕入れが比較的順調に進み、資源保護のため年間の上限量が設けられている稚魚の池入れは多くが終了間近という。
同組合の外山昭広組合長は「稚魚の価格が落ちると、成長したウナギの出荷価格も低下するため養殖業者の利益の見通しが立てづらい」と指摘する。