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日蓮宗僧侶が4500万円着服 静岡県東部宗務所 16年近く私的流用か

 静岡県東部の日蓮宗95寺院で組織する日蓮宗県東部宗務所の元会計担当の僧侶が、16年近くにわたって資金約4500万円を着服していたことが13日までの同所への取材で分かった。私的に流用していたとみられ、原因などを調べている。
 同所によると、2008年7月ごろから24年3月ごろまでの間、同所の口座から現金を引き出していたとみられる。帳簿の数字を改ざんし、毎年4月の監査で発見されなかった。
 僧侶は08年から会計を担当し、11年から会計主任を務めていた。23年4月に役職改選で退任した後も会計業務の引き継ぎを遅らせていたという。今年3月末に行われた会計の決算処理で発覚した。僧侶は返済の意思を示しているという。
 宗務所の運営費などに充てる一般会計と、災害時に管内の被災寺院への見舞金などに使う災害対策基金の資金から着服していた。同会計と同基金の財源については、管内の各寺院から徴収している。同所は僧侶に対し何らかの処分を下す方針で、被害届提出や刑事告訴などの対応は検討中。外部の有識者の意見を聞いた上で、再発防止に向けた組織改革も進める考え。
 同所は持ち回りで県東部の寺院が担い、基本的に任期4年。現在は西伊豆町の法雲寺が統括する。4月15日に調査委員会を発足させ、聞き取りや帳簿の精査を進めてきた。今後、会合を開き、管内寺院に対応策などを説明する。

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