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善意の先払い、広がる感謝 裾野・保育事業所「恩送り制」導入 チケット購入→食品など割引に

 裾野市などで小規模保育事業所を運営する「スマイルリンク」(同市)は、市民が善意で先払いしたチケットを使い、利用者が食品購入やサービスの割引を受けられる取り組みを始めた。誰かから受けた恩は他の誰かに返す―。そんな恩送りの考えに基づいた活動で、野村由希社長は「笑顔と感謝の輪が広がってほしい」と期待する。

お互いさまチケットを使った感謝のメッセージを貼る利用者=裾野市のひまわり保育園hagu
お互いさまチケットを使った感謝のメッセージを貼る利用者=裾野市のひまわり保育園hagu


 導入したのは、「お互いさまの街」を掲げて恩送り活動に取り組む「NPO法人チームふくしま」(福島市)が発案した「お互いさまチケット」。全国の導入店舗では、客が次に来る誰かのためにチケットを購入し、他の客がそのチケットを使って無料で食事したり、サービスを受けたりできる。
 保育事業運営会社としてはスマイルリンクが全国で初めて導入した。裾野、三島、沼津市で運営する4事業所で採用し、券は100、200、300円の3種類を用意した。利用者は、忙しい保護者の負担軽減を目的とした手作り総菜サービスや、同社が支援する授産品の購入代金に充てることができる。
 チケットはまず、子育て世代を応援したい地域住民など、今回の事業の賛同者に購入してもらう。家計が苦しい時などに、利用者が気兼ねなく使用できるよう積極的な活用を呼びかける。野村社長は「チケットを利用した人が、必ずしも後日チケットを購入しなくても構わない。他人に優しくしたり、道のごみを拾ったりして、誰かのために行動しようと考えてくれたら」と善意の循環を望む。
 (三島支局・岡田拓也)

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