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世界各地の鳥の巣40点!「鈴木まもる 絵本と世界の鳥の巣展」

藤枝市の蓮華寺に隣接する郷土博物館で、面白そうな展示を見つけました。

講談社出版文化賞【絵本賞】、産経児童出版文化賞【JR賞】など数々の賞を受賞されてらっしゃる、人気絵本作家、鈴木まもるさんの展示なのですが、普通の絵本の作品展「だけ」ではないというのです。

「鈴木まもる 絵本と世界の鳥の巣展」! 絵本の原画約100点のほかに、なんと世界各地で収集した珍しい鳥の巣約40点が一緒に展示されているという……。

鈴木まもるさんは、絵本作家でありながら、鳥の巣の研究家でもあるそう。実はかなり奥が深い、鳥の巣についても教えていただきました。
※8月24日にSBSラジオ、IPPOで放送したものを編集しています。

鳥の巣は単なる鳥の家ではない?

鈴木さん:「鳥の巣」というと皆さん、鳥の家だと思っていますが実は少し違うんです。卵を産むときに作って雛が巣立つと、もう使わなくなるので、鳥は毎回、卵を産む度に作るんです。

カンガルーは足がしっかりしているから、おなかの袋の中で赤ちゃんを育てられるし、魚は鮭やシシャモのように、おなかにたくさんの卵を作れます。でも鳥がそのようなことをすると、体重が増えて空を飛べなくなってしまいます。

恐竜から鳥に進化していくなかで、空が飛べるよう身体を軽くするため、世界中の鳥は一日1個しか卵を産めません。鳥の種類により産卵数は違いますが、卵を産んだら温める場所が必要です。

さらに卵やヒナはおいしいから、その辺に産みっぱなしでは敵に見つかり食べられてしまいます。そこで敵に見つからないよう、暑い、寒いなどの外的環境から守るために工夫した「鳥の巣」という安全な場所を体の外に作るようになったのです。要するに、お母さんの子宮のようなものだと思います。

親や学校とか、誰かから教わることなく、自分がどのような場所でどう生きたら幸せに子どもが育てられるか、本能で作り体現しているのが鳥の巣だと思います。きっと人間にもそんな力はあるはずなのですが、今の世の中は知識や情報が多すぎて、子育てに悩んだり、自分の居場所がないと、変な事件を起こす人が出てきてしまうのではないでしょうか。

牧野アナ:今はコロナで、人間は何か行き詰っているような感がありますが、実は動物や鳥から学べる点がすごくあるのではないかと、お話をうかがい思いました。

鈴木さん:そうですね、それは大きな歴史の流れや生命の流れの中での一部ということを考えると、何かヒントといえるものはあると思います。

DATA

■鈴木まもる 絵本と世界の鳥の巣展

会場:藤枝市郷土博物館・文学館
住所:藤枝市若王子500
開催期間:令和3年8月1日(日曜)~9月26日(日曜)
料金:大人400円/中学生以下無料


今回、お話をうかがったのは……鈴木まもるさん
1952年、東京都生まれ。赤い鳥さし絵賞、講談社出版文化賞絵本賞、産経児童出版文化賞JR賞など数々の賞を受賞。2021年3月、『あるヘラジカの物語』(あすなろ書房)で第2回親子で読んでほしい絵本大賞を受賞。主な絵本作品に『ピン・ポン・バス』『がんばれ!パトカー』(偕成社(かいせいしゃ))、『せんろはつづく』『つみきでとんとん』(金の星社)などがある。下田市在住。
 

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