【バードウオッチングの魅力】都市公園にも驚くほど多様な鳥が。ガイド付きなら初心者でも楽しめる!
(山本)自然豊かな環境に恵まれ、バードウオッチングが盛んな静岡県。中でも西部地域の浜名湖周辺は、水辺の鳥にも山野の鳥にも出合うことができます。先月、湖に面した浜名湖ガーデンパークで開かれた探鳥会は、都市公園の中にもかかわらず多くの野鳥が確認され、参加者を楽しませました。
バードウオッチングって、やったりしますか?
(山田)いやあ、よくやっているおじさんは知ってるんですけど(笑)。
(山本)私もあえて鳥を見に行くバードウオッチングは11月の取材が実質、初めてだったんです。浜名湖ガーデンパーク主催の催しがあり、取材に行って「しずおかアウトドアファン」のページに記事を書きました。
バードウオッチングは正直言って、楽しさというのが今ひとつピンと来ないところがあったんですが、まず、非常に驚いたことに、浜名湖ガーデンパークという比較的街に近くて気軽に行ける都市公園でも短時間に非常にたくさんの種類の鳥が確認できたんです。
(山田)そうなんですね。
(山本)自然の中に私たちが入れてもらっているという、自然の中をちょっと覗いて、そこで生き物をちょっと観察させてもらってるという感覚を覚えたのが新鮮でしたね。
(山田)ガーデンパークのような、身近な公園でもそれを感じることができるんですね。
(山本)「日本野鳥の会遠江」の皆さんに教えていただきながら回るバードウオッチングで、初心者向けに企画されていました。まず初心者と何回か経験した人たちをグループに分けて、それぞれ先生がついて回りました。
ガーデンパークは広場や庭園があり、植栽が多い所です。浜名湖沿いにあるため浜名湖からつながってる水路もあり、環境としては良いところです。いろいろな種類の鳥が集まる場所だということですね。それで、ガーデンパークもそういったイベントを開いているのだと思います。
(山田)朝、早かったりするんですか。
(山本)初心者向けということで、午前9時に開始して、園内を2時間ぐらいかけて回りました。特段変わったこともしないんですが、ゆっくり歩いていると周りに実はいろいろな鳥がいると分かりました。
私の他にも初心者の方がいましたが、鳴れない人には気付かない野鳥もいます。「鳥を意識しながらガーデンパークに来たことはなかったので、こんなにたくさん鳥がいるとは」という驚きを話していました。
(山田)どういう鳥が見られたんですか。
(山本)この時は珍しい鳥はあまりいなかったんですが、水鳥のバンやカモ類、秋になると浜名湖周辺に渡ってくるというジョウビタキなどがいました。
あとはカワセミですね。本当に一瞬なんですが、見つけた人が「カワセミがいるよ!」と教えてくれて、見ることができました。
(山田)僕も浜松の佐鳴湖にロケで行ったときに、バズーカみたいなカメラ持っている人がたくさんいて、何を撮っているのかを聞いたら「カワセミが来るんだよ、静かにして」と言われて。綺麗なブルーとエメラルドグリーンの鳥の写真を撮ってましたが、やっぱり人気ですよね。
(山本)カワセミは水辺の柵のようなところにいましたが、みんなが「カワセミだ」と言っているとすぐに飛んでいってしまい、写真も撮れなかったです。
(山田)山本さんは写真に収められたんですか。
(山本)それが、いずれも失敗しまして(笑)。「何としても」と思いながら行ったんですが、やはりそれなりの準備が必要ですね。
鳥を通じて感じる、自然の豊かさ
(山田)参加者の皆さんはどうでしたか。(山本)初心者の方は、解説があると何の鳥かや、オスかメスかの区別、習性なども分かります。このツアーの場合は、ガイド役の野鳥の会遠江の皆さんから教えていただけたので非常に分かりやすかったですね。
(山田)確かに、最初に山本さんがおっしゃっていた「自然を覗き見してる感じ」というのは、なんかいいなと思いますね。
(山本)実際やってみないとその感覚が分からないと思います。双眼鏡やスコープを覗いたり、カメラを持っている人は望遠レンズをつなげてファインダー越しに見たりするパターンが多いんですが、本当に近い場所に野生の鳥がいるんです。もう1回行ってみたいなという気になりました。
(山田)年中、できますもんね。
(山本)県西部は海があり、山も川も湖もあり、自然がいっぱいです。中部、東部、伊豆についても同様で、改めて静岡県の自然の豊かさが、野鳥を通じても分かるということですね。
初心者向けのイベントも豊富
(山本)「野鳥の会」というのは、野鳥を愛する人なら誰でも入れる団体と聞きました。
(山田)そうなんですね。
(橋本)県内に全部で6支部あり、各地で活動されているそうです。遠江の皆さんは、かなり頻繁に野鳥観察会、あるいは探鳥会を開いていて、今回のような初心者向けの「誰でも来ていいよ」というような会も開いています。
野鳥のファンを少しでも増やしたい、また自然の素晴らしさを知ってほしいという思いで活動しています。雑誌やガイド本なども発行していて、今回の取材の参考にさせていただきました。
カメラを楽しむ方が多くて、素晴らしい写真を撮って、その写真展も開いています。
(山田)カメラにちょっとこだわっている方も多いでしょう。
(山本)もうプロのようですね。何が楽しいのかを聞くと、「(鳥の姿が)いつもちょっと違う」ということです。同じ鳥を狙うけど「今回はこういうシーンで撮りたい」と考えるそうです。撮った写真を誰かに見てもらう楽しみもあり、楽しみ方が幅広いですね。
(山田)今回みたいな初心者向けのオープンイベントは結構やってるものなんですか。
(山本)直近ですと、来年の2月に浜松市の県立森林公園でイベントがあるようです。遠江に限らず、県内各地で観察会が開かれていますし、日本野鳥の会の他にもいろんなグループがあります。会員以外にオープンなものも多く、参加できる機会はかなり多いと思います。
(山田)今日、山本さんの話を聞いて、興味が出てきました。でも最初は本当に詳しい人に連れていってもらうか、野鳥の会のイベントとかでないと、どこにいるかわからないですよね。
(山本)野鳥の会の皆さんは、解説と同時に注意点についても話しています。やはりマナーとして、鳥にストレスを与えないことが非常に大事だということです。近づきすぎないで一定の距離を保つとか、あまり大人数で行かないとか。特に巣を作っている鳥には近づかないでほしいというところですね。自然を守ることが一番大事と考えてほしい、と話していました。
(山田)見せてもらっているぐらいの感覚が必要ですから、これからやろうと思ってる方はまずはちゃんとプロの方と一緒に行くのがいいかもしれませんね。今日の勉強はこれでおしまい!
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