【井上実監督「キャメラを持った男たちー関東大震災を撮る-」】カメラマンのしたたかさ
1923年9月1日の発災直後、都内各所を撮影した3人のカメラマン。崩落した凌雲閣(浅草十二階)、燃えさかる帝国劇場など、帝都の被害と混乱を生々しく伝える。日活向島撮影所の撮影技師高坂利光は浅草、日本橋、日比谷などを撮影後、4日にフィルムを抱えて鉄道で京都へ。現地で現像の上、7日夕に新京極で封切り上映した。「記録者」の姿だけでなく、カメラマンのこうした「したたかさ」にも言及するのが本作の美点だろう。(は)
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