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静岡新聞教育文化部

【井上実さんの共同監督作品「鬼来迎ー鬼と仏が生きる里ー」】鬼はもはや「自分の一部」

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、4月21日に静岡市葵区中ノ郷の「登録有形文化財」鈴木邸で開かれた、村山正実さん、片岡希さん、井上実さんの共同監督によるドキュメンタリー映画「鬼来迎 鬼と仏が生きる里」(2014年)の上映会。井上さんの監督作「キャメラを持った男たち―関東大震災を撮る―」に関するトークイベントの一環。

同年の文化庁映画賞。千葉県横芝光町の虫生集落に800年以上続く重要無形民俗文化財「鬼来迎(きらいごう)」の由来、それを演じる人々。寺の地蔵堂跡地に特設の舞台を作り、閻魔大王の裁可で地獄に落ちた亡者を救う観音菩薩、地蔵菩薩を描く。何年も何年も黒鬼、赤鬼、鬼婆を演じる者にとって、役柄はもはや「自分の一部」。若い世代への演技指導に感銘を受けた。撮影は2013年夏。映画に出てくる古老の大半は鬼籍に入った。(は)

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