【入江悠監督「あんのこと」】河合優実さんの表情の変化
母親の日常的なDV、10代半ばからの売春、覚醒剤常習、左腕にはリストカットの跡が多数。河合さん演じる杏は、小学校中退で社会に居場所を失っている。カサカサな肌と目の下のくまが目立つ河合さんが、佐藤二朗さん演じる多々良の導きで人間らしい表情を獲得していく過程が印象的。そして、善悪の鮮やかな反転も。「名もなき人」の八方塞がりな生活を、淡々と、しかしドラマとメッセージを交えて映画に結実させた制作陣に拍手。(は)
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