
【ピエール・フォルデス監督「めくらやなぎと眠る女」】 磯村勇斗さんの「声の演技」

「かえるくん、東京を救う」のパートは、新海誠監督の「すずめの戸締まり」(2022年)との類似点が見受けられる。このことは新海監督が自ら公言している。東京の地下で地震を引き起こすとされる「みみずくん」は、映像化されることで一層その点が際立つ。
感情の起伏を極力抑えつつ、内的な葛藤をちょっとした言葉の強弱で表現する磯村さんの「声の演技」に感服。設定は2011年の東京だが、会話の端々に挟み込まれる手のジェスチャーがいかにも欧州的なのはご愛敬。(は)
<DATA>※県内のその他の上映予定館。8月23日時点
シネマイーラ(浜松市中央区、9月27日から)
金星シネマ(伊東市、10月23日から)
静岡新聞の論説委員が、静岡県に関係する文化芸術、ポップカルチャーをキュレーション。ショートレビュー、表現者へのインタビューを通じて、アートを巡る対話の糸口をつくります。