スマホのカメラで花火を撮るコツ!
夏と言えば、花火! 花火大会に行って綺麗な花火の写真を撮っても、いざ後から見返すとなんか上手く撮れていない……ということありませんか? 今回は、スマートフォン(以下スマホ)のカメラで花火の写真を撮るコツについて、カメラマンの望月やすこさんに、SBSアナウンサー原口大輝がお話をうかがいました。
原口:いつもは「#こんな求人見つけてきました」でご出演いただいていますが、本業のカメラマンでの出演はIPPOの金曜日では初めてですよね(笑)?
望月:そうなんですよ!
原口:今回は花火の写真の撮り方ということですが、スマホのカメラで大丈夫なんですね?
望月:今のスマホは、すごい進化しているので綺麗に撮れますよ!
原口:花火の写真はブレたり、タイミングがずれたりして上手く撮れないのですが、スマホで綺麗に撮るコツを教えてください!
「フラッシュ」はオフにしよう
望月:まずフラッシュをオフにすることです。スマホのカメラを起動すると、たぶん左上の方に「カミナリ」みたいなマークが出てくると思いますが、これがフラッシュです。そのカミナリマークをタップして、フラッシュをオフにしてみてください。斜めの線(スラッシュ)が出ればオフになったということです。もう一度タップすれば元に戻るので、怖がらずにやってみてください。なぜフラッシュをオフにするのかというと、スマホのフラッシュを光らせても打ち上げ花火には届かないので意味がないからです。もし、フラッシュをつけて目の前に人物がいるような人混みで花火を撮影した場合、目の前にいる人物を明るく照らすことになって、花火が主役なのか人物が主役なのかわからなくってしまいます。
原口:自分の周辺が明るくなってしまって、そちらが目立ってしまうのですね。
手ブレ対策
望月:暗い場所で撮影するとブレやすいんです。光が少ない場所では、カメラのシャッターを切るときに少しでもたくさんの光を取り込むために、シャッターをゆっくり下ろします。原口:シャッタースピードといわれるものですか?
望月:そうですね。暗い場所ではシャッタースピードが遅くなり(シャッターが開いてる時間だけ揺れが反映されるため)、スマホのシャッターを押す力だけでも、スマホが動いて手ブレが起きます。これを防ぐには、スマホ用の三脚・スタンドを使ってスマホを固定するか、そこまでやるのが難しければ、地面や机などにスマホを置いて動かないようにするか。または自分が壁によりかかって脇を締め、なるべくスマホが動かないように工夫して撮ってみてください。カップルだったら、相手に肩を貸してもらうのもいいですね!
さらに「連射モード」を使って撮影すると、シャッターを押す力が加わるのが最初の1枚だけなのでブレにくくなります。機種によって呼び方が違い、「バーストモード」「バースト」「連写撮影」「連写」などの名前になっていると思います。
原口:ボタンを押すときに微妙に力が加わるからスマホの画面がブレてしまうんですね。
撮影枚数をケチらない
望月:とにかくたくさん撮って欲しい! みなさん2~3枚撮っただけで「上手く写らない」といいますが、上手く撮れるわけがないんです。フィルムじゃないから何枚撮ってもフィルム代はかからないですし、たくさん撮れば奇跡の1枚が撮れているはず! それでも自信がない人は「動画」で撮ってから、良いなって思うところを「スクショ(スクリーンショット)」して写真として残すのもいいと思います。原口:たくさん撮ることが大事なんですね!
撮った後から修正
望月:花火は、明るく撮るより暗めに撮る方がカッコよく写るんです。暗闇が黒く写るほど花火が映えてきます。最初から露出を下げて撮る方法がいいのですが、面倒だと思います。なので、とりあえず撮っておいて後から修正しましょう。写真の編集機能の中に、「+-」や左右に動くバーがあると思うので、そこを動かすと暗さの調整が感覚的にできます。「明るさ」を暗くすることで、イマイチだと思った花火写真もぐっと黒が締まってカッコいい写真になります。あとは、ぼんやりした色の花火写真を撮りがちですが、明るさの調整と同じように「彩度」の調整もできます。彩度を上げて鮮やかさを出すと、だいたいカッコいい写真になります。この「彩度」は、食べ物を撮る時にも便利なんです。暗い場所で撮った食べ物は彩度が低くて鮮やかさが足りず、美味しくなさそうに感じます。彩度を上げれば美味しそうになるんです。これにより、いわゆる「映え」写真になります。
手持ち花火の写真を撮るときは?
望月:自宅の外などでお子さんと花火をやる機会も増えると思うのですが、その時もフラッシュは基本的にオフにしてください。手持ち花火の場合、花火に照らされて顔もほんのり明るくなることが多いので、その光を活かすとその場の雰囲気が出ます。もし花火の光が暗いときは、フラッシュを使ってみるのもいいと思います。フラッシュがちょうど人物に当たって、花火も人物も明るい写真になる場合がけっこうあります。手持ち花火を撮影する時も気持ちをケチらずに、フラッシュの有り無し両方を試してみてください!
あとは、子どももブレやすいです。撮影者や暗さの問題だけでなく子どもは動くので、そういうときはなるべく子どもに座ってもらって花火をしてもらってください。座ってもらうと動かないからブレにくくなりますし、全身を入れて写しやすくなります。
子どもは顔だけ撮るより全身を撮る方が、子どもらしさが出るんです。育てている時は気づかないけど、あとから見ると、小さい肩やムチムチした手首など、いろいろなことに気づくので、なるべく全身が入るように撮ってあげるとかわいいなという感じになります。
子どもの写真を撮る時、子どもを座らせて自分は立って上から目線で撮る大人が多いです。でも、写真は基本的に相手と同じ目線で撮ることが大事。ご自身も座って子どもの黒目にピントを合わせ、目の中に花火がキラキラと光ってる楽しそうな笑顔が撮れたら最高ですよね。
原口:今、すごくその情景が浮かびました!
「花火文字」写真は?
望月:あと、花火でハートや文字を描くような「花火文字」写真を撮りたい人は、アプリで撮るのがおすすめです。有名なのは「Instant X」(インスタントエックス)。花火文字用のアプリがあるので、特別な技術やカメラを使わずにスマホで撮影できます。原口:今回は、いろいろご紹介いただきありがとうございました!
※機種によって表示が異なる場合があります。
今回、お話をうかがったのは……望月やすこさん
静岡県内を中心に個人の撮影や取材撮影をするフリーカメラマン。撮影歴は25年。「人を笑顔にする撮影」と「面白いネタ探し」を得意とする。著書「子連れのタダビバ」シリーズ(静岡新聞社)では執筆も担当。ラジオ・テレビの出演など様々なメディアで活躍。公式ホームページ「フォーシーズン 望月やすこ」、インスタグラム( @mochikoyasuko )