
【小林且弥監督「水平線」】大小の物語をより合わせた傑作

福島県の港町が舞台。散骨業を営む男を瀧さんが演じる。さまざまな暗喩をにじませながら大小の物語を巧みにより合わせた傑作。原発の「処理水」海洋放出を巡る諸問題を論じているようにも思えた。瀧さんの「への字型」の両目と口、眉間とおでこのしわが、主人公のかすかな心の揺れを繊細に表していて感動。足立さん演じるジャーナリストが主人公に対し、カギ括弧付きの「正義」を投げつける場面に、メディアの加虐性を感じ取った。(は)
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