静岡県庁本館と静岡銀行本店を訪ねる

2023年8月6日放送の「静岡市歴史めぐり まち噺し」は、静岡県庁本館と静岡銀行本店を訪ねます。
語り:春風亭昇太

静岡市役所と同じく中村與資平によって設計された、静岡県庁本館。明治政府による廃藩置県ののち、江戸時代に伊豆、駿河、遠江の3つの国だったところが、明治9年に静岡県となりました。

昭和9年に、新庁舎の建設が県議会で可決されて、中村與資平が実施設計を行い、1年10か月の施工期間をかけて昭和12年に完成したのが、現在の静岡県庁本館です。コンクリート造りのビルに瓦屋根をのせた「帝冠様式」と言われる和洋折衷の建築方法で建てられ、左右対称の直線的な4階建ての建物の正面中央に赤い三角屋根の塔屋を載せています。

3階の議場では、現在も県議会が行われています。3階ホールには、県の特産であるお茶やみかんなどを積んだ宝船を描いた壁画があります。

静岡市役所、静岡県庁と同じ中村與資平が設計した建物がもうひとつ静岡市内に残されています。現在の静岡銀行本店は、2つの庁舎に先立ち昭和6年に、三十五銀行本店として建設されました。古代ギリシャ建築にみられるドリス式の円柱が特長的な鉄筋コンクリート造りの3階建て。地下には建築当初に使われていた金庫が、今も残ります。

静岡市役所本館、静岡県庁本館、そして静岡銀行本店。3つの建物は、設計した中村與資平の願い通り、今も人々が訪れる場所として歴史を刻み続けています。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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