
竹千代の時代にここに学び、大御所として駿府に戻ったのちも、度々訪れていた徳川家康ゆかりの寺、清見寺。清見寺門前の旧東海道は、東海道53次15番目の宿、蒲原宿の面影を今も残しています。
中でも代表的な建物は「志田邸」。安政の大地震の翌年に建て直されたと言う蒲原最古の町屋のひとつです。はねあげ式の蔀戸(しとみど)や箱階段が残る伝統的な商家で、江戸時代の暮らしをうかがい知ることが出来ます。米や、塩などを商い、江戸時代後期には醤油の醸造を行っていました。
この街並みに残る旧五十嵐邸は、大正時代に歯科医院として開業するため洋風に改築され、その後昭和初期まで増築が行われました。洋風な外観でありながら、中に入れば旧来の町屋の風情を残している建築が珍しく、国の登録有形文化財に指定されています。今は地域住民に伝統文化を伝える活動の場として活用されており、こうした建物が連なる街並みに、江戸時代から現在までの町屋の歴史を見ることが出来ます。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。