語り:春風亭昇太

歌川広重の浮世絵・東海道五十三次にも描かれた由比・さった峠は東海道の旅人泣かせの難所でした。
海岸線に迫る山肌と駿河湾、そして、その向こうにそびえ立つ富士山。現在は展望台が整備され、広重が描いた構図と重なる絶景を眺めることができます。
江戸時代、由比宿には、本陣一軒、脇本陣1軒、旅籠が32軒もあり行き交う旅人たちで賑わっていました。参勤交代の大名たちの宿となった本陣の跡地は、現在公園となっており、表門や石垣などに当時の由比本陣の佇まいが残されています。
東西20mにわたって、1mの幅で造られたかつての馬の水吞み場は、馬に水を呑ませたり、体を洗ったりするために利用されていました。
広さ1300坪に及んだ由比本陣。本陣公園の中には、東海道広重美術館があり、広重の作品を中心に、1400点にも及ぶ版画コレクションが収蔵されています。江戸時代の庶民が見て楽しんだ浮世絵版画には、人々の暮らしや流行などが描かれ、当時の様子を私たちに伝えてくれています。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。