旧エンバーソン住宅を訪ねる

2023年7月9日放送の「静岡市歴史めぐり まち噺し」は、旧エンバーソン住宅を訪ねます。
語り:春風亭昇太

明治34年にキリスト教の宣教師としてカナダから静岡にやって来たロバート・エンバーソン。明治37年から、エンバーソンが家族とともに現在の静岡市葵区西草深で暮らしていた家が移築され、駿河区池田の日本平動物園近くに残されています。明治時代の洋風建築独特のおもむきを持つこの建物にはペイントされた下見板張の外壁、ポーチとバルコニーのアーチなどの西洋風なつくりと波型の瓦を積んだ桟瓦葺きの和風なつくりが融合しています。

エンバーソンは、宣教師として活動するだけでなく、人々に英語を教えたり、人々の暮らしを写真におさめたりして、静岡の人々と深い親交がありました。

明治40年にエンバーソンが帰国したのちも、この建物は、代々の宣教師や牧師の住まいになりました。老朽化が進んだことから、築80年を超えた昭和61年、解体・修復して、この地に移築されることとなりました。

大火や戦災などで多くの建物が焼失した静岡市内では現存する数少ない明治時代の西洋建築物である旧エンバーソン住宅。県内に残る唯一の外国人宣教師住宅として平成21年に静岡市指定有形文化財になりました。一般にも公開され、明治時代の西洋建築をまぢかに見ることができる貴重な文化財として残されています。

静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。

静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)

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