
渋沢栄一ゆかりの地を訪ねる
語り:春風亭昇太

宝台院で徳川慶喜と再会した渋沢栄一は、かつての主君のもとで生涯を過ごそうと決意し、静岡に移り住みした。静岡駅近くの料亭・浮月楼がある場所に、かつて駿府の代官屋敷がありました。
後に静岡藩への仕官を命じられた渋沢は、ここに「商法会所」を設立します。商法会所は、茶や漆器など静岡の産物を他の地域に販売する総合商社の役割と、商品を担保に、商人に資本を貸し出す銀行の機能を兼ねていました。
渋沢は、静岡の商業発展に尽力し、やがてそれが、近代日本の発展へとつながるのです。宝台院での謹慎を解かれた慶喜が、ここに転居したのに合わせ、渋沢は、既に常平倉(じょうへいそう)と名称を改めていた商法会所を現在の教覚寺に移転し、静岡を離れるまで、ここで暮らしました。明治政府の要請で東京に移った後も渋沢は度々静岡を訪れ、静岡の経済人を激励しました。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。
静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)