義元、家康ゆかりの臨済寺を訪ねる
語り:春風亭昇太
今川義元が、兄 氏輝を弔うために創建したとされる臨済寺。臨済寺のために義元が田畑を寄進したことを伝える古文書が残されています。
臨済寺の創建を支えたのが、義元の軍師としても知られる太原雪斎でした。臨済寺では桶狭間の戦いで討ち死にした義元の葬儀が行われ、江戸時代を通じてその供養が続けられました。現在も、義元の命日である5月19日に法要が行われています。
臨済寺は今川家のもとで少年時代を過ごした徳川家康が、太原雪斎から武将となるための英才教育を受けていた場所でもありました。秀吉の配下で駿府に戻った家康は、武田との戦乱で焼け落ちた臨済寺を再興しました。再建した臨済寺への軍勢の立ち入りを禁じた、家康の朱印状も残されています。
元和2年、太政大臣になった家康は、臨済寺に千鳥図屏風を寄進しました。家康の死後、久能山で臨済寺の僧が読経を行ったという記録も残されています。家康亡きあとも、江戸幕府の代々の将軍は、寺領保証の朱印状を臨済寺に与えました。臨済寺の代々の住職が、年の始めに江戸に出向いて、歴代将軍の供養を行うなど、臨済寺と徳川家の深いつながりは続きました。臨済寺から幕府へ老朽化した建物を修復するための支援を求めた書状にも、今川家、徳川家との深いつながりが強調されています。
静岡市歴史めぐり まち噺し 今日のお噺しはこれにて。
静岡市の観光親善大使でもある春風亭昇太師匠の語りで、歴史や文化、特産品など、静岡市の魅力を紹介するミニ番組です。(毎週日曜日ひる12時54分放送)