【村木嵐さんの「まいまいつぶろ」】田沼意次の「成り上がり」にも注目

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、1月17日に選考発表がある第170回直木賞にノミネートされた村木嵐さんの小説「まいまいつぶろ」(幻冬舎)。

江戸幕府第9代将軍徳川家重、言葉が不自由な彼の「通詞」として生涯を共にした大岡忠光と彼らを取り巻く幕閣の深慮遠謀。裏読みすると、相良藩(牧之原市)の藩主だった老中・田沼意次の「成り上がり物語」でもある。足軽から旗本になった意行の息子として14歳で小姓に取り立てられ、秀でた頭脳で家重、第10代将軍家治の信用を得る様は、超エリート官僚を思わせる。最後には「さまざまに名の高い、いや悪名も高い老中だ」という記述も。(は)

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