【島津輝さんの「襷がけの二人」】昭和16年、絶賛の静岡茶

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、1月17日に選考発表がある第170回直木賞にノミネートされた島津輝さんの小説「襷がけの二人」(文芸春秋)。

大正15年を起点に、東京・下谷(台東区)の製缶工場経営者の家に嫁いだ千代と、女中頭のお初の戦中戦後を通じた24年間の絆を描く。舞台はほとんど東京だが、静岡に関するエピソードが三つ。最も印象的なのは昭和16年、隣組の常会の場面。隣組幹部の妻が「私の田舎が静岡だから」と緑茶の茶葉を置いていく。「さすがお茶所は違うわ」と感心する千代とお初。静岡茶は「ごく少量でも香りが立つし、後味もほんのりと甘い」と描写されている。(は)

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