LIFEライフ

静岡新聞教育文化部

【恩田侑布子さんの評論新刊「星を見る人」】芳醇な日本語を堪能

静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市葵区の俳人・文芸評論家の恩田侑布子さんの新刊「星を見る人」。

「日本語、どん底からの反転」との副題が恩田さんの危機感を強烈に伝える。2013年から23年までの俳句を中心とした文芸評論集。石牟礼道子、久保田万太郎、飯田蛇笏、三橋敏雄、大牧広、黒田杏子という顔ぶれの珠のような句の数々に、恩田さんがふくらみのある言葉で応答する。言葉と言葉が感作し合う瞬間が何度も訪れる。読書の愉悦。日本語への危機感を底流に編まれた本が、芳醇な日本語で書かれている、というパラドックスがまぶしい。 (は)

静岡県内の音楽、美術、文学、演劇、パフォーミングアーツなど、さまざまな表現活動を追いかけます。教育分野の動きもフォロー。最新情報は公式X(旧Twitter)で。

あなたにおすすめの記事

RANKING