物価の優等生モヤシ。生産現場に潜入! 株式会社 丸一食品/焼津
モヤシは何の植物?
望月:さっそくですが、モヤシは何の植物からできているかわかりますか。
山﨑:豆ですよね?
望月:う〜ん、近い! そもそもモヤシは、特定の植物の名前を指すのではありません。漢字で書くと「芽し」「生し」「萌し」で「モヤシ」なんです。「やわらかい」「発芽」「生える」など、そういう意味のもので、暗所で光合成させずに発芽・成長させた、米や麦、野菜、豆などの芽のことを指す言葉です。一般的にスーパーなどで販売される、市場に最も出回っている「モヤシ」は、大豆ではなくてほとんど緑豆なんです。
まるで雪かき!?モヤシが出荷されるまで
望月:このモヤシの成長過程を知りたくて工場を見せてもらいました。モヤシの畑は初めて見ましたがおもしろいんですよ。
山﨑:どんな風におもしろいんですか?
望月:工場の中には約20畳の部屋がいくつもあって、この部屋一つ一つがモヤシの畑「むろ」なんです。モヤシは出荷サイズに成長するまで一般的に7〜11日間かかり、丸一食品さんでは11日間かけて育てています。11日間かけるから大きくてシャキシャキなモヤシになるんだそう。毎日出来立てのものを出荷するために、部屋数がいくつもあるんです。
1日目の部屋には、ズラーっと3.8mmの(大豆よりも小さい)緑豆の粒が、砂場のように何層にも厚く敷いてあります。これが11日経つとパンが膨らむように、ぼわーんと一斉に大きくなります。
出荷のために掻き出して運ぶ作業も見させてもらいましたが、これが雪かきしているみたいでした。大きいフォークで「よっこいしょ、よっこいしょ」とやるからね。私も作業させてもらったのですが、コツのいる作業でなかなか大変でした。
山﨑:これ、全部モヤシなんですね!サクッとすくう感じですか?
望月:ズザザザザって感じかな?結構重いのよ〜。しかも毎日の生産量が20トン、袋で数えると10万袋分になるそう。10万袋分ってすごくない?
代謝を助けるはたらきも?モヤシの価値が見直されている
これだけ作っても、単価が安く、しかも値上げできないので、モヤシ工場はやっていけない、という話を聞きます。
そして丸一食品さんは、袋詰め工程で工夫をし、値上げをしない努力をしています。例えば、スーパーでの販売用のモヤシは1袋200グラム。これまでも200グラムよりちょっと多めに袋詰めしていたのですが、多めに入れていた分をちょっと減らし、ギリギリの205.3グラム前後を入れるようにしたそうです。
これだけではなくて、モヤシメーカー全体が利益をあげるために、いろいろな努力をしています。その中のひとつにモヤシの価値の見直しがあります。全国モヤシメーカーの出している資料を見てびっくりしましたが、モヤシは栄養分には糖質や脂質の代謝を助ける働きもあるためダイエットにもいいそうです。
安く購入できるモヤシですが、消費者も安すぎると思っているので、モヤシの価値を見直して、少しずつ高くできたらいいね、とやっているところだそうです。
そんな丸一食品さんでは求人を募集しています。中尾社長は”モヤシ愛”がすごいので、入社したらモヤシについて、たくさん話をしてくれると思います。ちなみに社長が一番好きなモヤシは色や太さがちょうどいい10日目のモヤシだそうですよ〜。
山﨑:今日でモヤシのイメージが変わりました(笑)!モヤシに感謝しましょう。求人に関するお問い合わせは、株式会社丸一食品 054-664-0510までお願いします。
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■ 株式会社丸一食品
住所:静岡県焼津市高新田22-1
TEL:054-664-0510
会社情報
今回、お話をうかがったのは……望月やすこさん
静岡県内を中心に個人の撮影や取材撮影をするフリーカメラマン。撮影歴は20年以上。「人を笑顔にする撮影」と「面白いネタ探し」を得意とする。著書「子連れのタダビバ」シリーズ(静岡新聞社)では執筆も担当。ラジオ・テレビの出演など様々なメディアで活躍。公式ホームページ「フォーシーズン 望月やすこ」、インスタグラムもチェック。
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