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実は身近な物にも?「産業用繊維」のパイオニア サカイ産業株式会社/島田

カメラマンの望月やすこさんが取材中に出合った、身近にあるけど「へ〜〜」な求人情報を紹介する企画「こんな求人見つけてきました」。今回は「サカイ産業株式会社」をご紹介いただきました。
※2023年5月5日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

写真提供:望月やすこさん

産業用繊維資材を製造

望月:今回は、島田市にあるサカイ産業を紹介します。島田市に4拠点、岩手県にも工場があるグループ従業員約360人の大きな会社です。高機能繊維を用いて産業用繊維資材を作っている会社で、業界ではよく知られたパイオニアのような存在です。

重長:パイオニアですか、すごいですね。

望月:その納品先が有名メーカーばかりなので秘密が多い。あまりはっきりとしたことは言えませんが、今回、特別に取材させていただきました。まずはサカイ産業の製品を理解するために、歴史を順に説明します。

1918(大正7)年、とまさんという女性が、帯留め用の組ひもや靴ひもを作ったのが始まりです。大正時代に女性が商売をはじめたのがすごいですよね。この方が1代目になります。

そしてとまさんの息子、鍳之助(けんのすけ)さんが2代目として引き継ぎます。鍳之助さんが現在の静岡市清水区にあった軍学校の教官をしていた縁で、軍需用のパラシュートのひもや迷彩ネットを作るようになりました。戦後、化学繊維が世の中に出回るようになり、そこで目をつけたのが、ガラス繊維(グラスファイバー)。ポキっと折れるガラスではなくて、細くてキラキラした綿菓子のような白銀の糸です。ガラス繊維は電気を通さないので絶縁体として使われ、それを織物にして某大手電機メーカーに納品していたそうです。

1958(昭和33)年になると、鍳之助さんの息子の中利(なかとし)さんが、3代目として引き継ぎます。他の電機メーカーや造船会社も取引先に加わり、規模がどんどん大きくなりました。3代目は、炭素繊維に注目しました。炭素繊維は、一般的に細くてしなるものや軽くしたいものに使われます。わかりやすい身近なものでいうと、釣り竿の穂先、アーチェリーや弓道の弓、ゴルフクラブやテニスラケットのシャフト、そしてドローンなどにも使われています。

重長:うんうん、イメージしやすいですね。

世界に誇る技術力

望月:実は炭素繊維は、日本が特に強く、世界の半分以上のシェアを占めています。市場を開拓したのが日本という理由もありますが、何より技術が素晴らしいからだそうです。その中でも世界のトップといえば、誰もが知っている東レがありますよね。

そこで、サカイ産業は東レと日精という商社と組んで会社を作りました。それがサカイ・コンポジット株式会社で、資材を作るだけでなく、加工して製品化もできるようになりました。

そして4代目の酒井昌浩(まさひろ)さん(現・代表取締役)につながって、現在は高機能繊維資材やその製品を作っています。先ほどお話しした釣り竿やアーチェリーはもちろん、医療器具のCTやX線のベッドも炭素繊維でできています。そのほかにも鉄に代わる材料として橋脚や高速道路の劣化を防ぐ補強材や、新幹線・航空機などにも炭素繊維が使われているんですよ。こんなすごい会社が島田市にあるっているのが嬉しいですよね。

そんな世界のサカイ産業では求人を募集しています。新卒・中途採用ともに技術職、営業職、事務職を募集しています。女性が創業者の会社なので、現在も女性が4割を占め、役職者となって活躍している人もいます。

重長:色々と教えていただき勉強になりました。これは誰かに言いたくなりますね。やすこさんありがとうございました。

<DATA>
■ サカイ産業株式会社
住所:静岡県島田市細島1349-1
TEL:0547-35-2727
会社情報
今回、お話をうかがったのは……望月やすこさん
静岡県内を中心に個人の撮影や取材撮影をするフリーカメラマン。撮影歴は20年以上。「人を笑顔にする撮影」と「面白いネタ探し」を得意とする。著書「子連れのタダビバ」シリーズ(静岡新聞社)では執筆も担当。ラジオ・テレビの出演など様々なメディアで活躍。公式ホームページ「フォーシーズン 望月やすこ」、インスタグラムもチェック。

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