
倉庫会社だけど製氷業? 浜松委托倉庫株式会社/浜松
どうして製氷業を?
望月:浜松は全国でもめずらしいくらいの激戦区で、実は「かき氷の聖地」と聞きました。その理由のひとつが、通常は地域に1社しかない製氷会社が市内に2社あって、そのどちらの会社もすごいからなんです。それが浜松委托倉庫と舞阪製氷です。今回は「浜松委托倉庫株式会社」さんに話を聞いてきました。浜松委托倉庫は1889(明治22)年創業の倉庫物流業の会社。だけど「なんで倉庫会社が氷?」って思うでしょ。十数年前に、浜松市場で氷を作っている会社があって、この会社が廃業するという話がありました。浜松委托倉庫は元々冷蔵倉庫業をやっていて、冷凍食品などの物流をメインに扱っていたため、その製氷業を引き継いだんです。
青木隆太アナ(以下、青木):廃業された事業を引き継いで再生させるのはすごいですね。
浜松委托倉庫が誇る「ソーラーアイス」

望月:製氷会社では「純氷」という不純物の少ない氷が作られています。その中でも浜松委托倉庫は、自社の純氷に「ソーラーアイス」という名前を付けて、商標登録までして売っています。
青木:太陽?
望月:太陽光発電を使って作っているという意味でソーラーアイス。なかなか溶けない氷です。ただの純氷じゃなくて、一段上の純氷なんですよ。
具体的には、まず天竜川の伏流水を地下100mから汲み上げ、消毒・滅菌・ろ過して、さらに硬度を整えます。その水を24項目の検査した上で、塩水で満たした大きなプールの中で、なるべく「凍らせない」ようにしながら、ゆっくり凍らせるんですね。そうすることで、不純物を混ざりにくくすることができるそうです。
青木:手間暇がかかっているんですね〜。
望月:しかも、普通の製氷会社ではマイナス10℃くらいで48時間かけて凍らせるけど、「ソーラーアイス」は最低でも倍以上の96時間かけて凍らせています。季節によっては1週間かけて凍らせる場合もあります。
青木:エネルギーのかけ方がすごい!
望月:浜松にあるもう1つの製氷会社、舞阪製氷さんもこれだけの時間をかけて氷を作っているそうです。2社ある製氷会社のどちらもが高品質の氷を作っているから、浜松のかき氷は美味しいに決まっているんです。
望月:「ソーラーアイス」は浜松のかき氷屋さんの間では「浜松純氷」と呼ばれています。透明で硬いのに、口に入れるとまろやかに溶けていきます。ゆっくり溶けていくので頭がキーンとなりにくい。
青木:そうなんですね。とっても美味しい氷を作る浜松委托倉庫さんのお話でしたけど、求人情報はどうなっていますか?
望月:浜松委托倉庫では、求人を募集しています。本業のネット通販などの冷凍食品をメインとした倉庫・物流業の方です。実は女性が多くて、8割くらいの比率だそうです。
<DATA>
■浜松委托倉庫株式会社
住所:浜松市中区西浅田1-6-40
TEL:053-452-8581
会社情報
今回、お話をうかがったのは……望月やすこさん
静岡県内を中心に個人の撮影や取材撮影をするフリーカメラマン。撮影歴は20年以上。「人を笑顔にする撮影」と「面白いネタ探し」を得意とする。著書「子連れのタダビバ」シリーズ(静岡新聞社)では執筆も担当。ラジオ・テレビの出演など様々なメディアで活躍。公式ホームページ「フォーシーズン 望月やすこ」、インスタグラムもチェック。
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