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椅子を使って筋トレ!? 日常生活の中で簡単にできる筋力トレーニング

日常動作を筋トレに活用しよう!

だんだん暑くなってきて薄着で肌の露出が増える夏ですが、みなさんはしっかり体を鍛えていますでしょうか?といっても外は猛暑ですから、運動不足になっている方も多いのではないかと思います。そこで今回は、オフィスでもラジオのスタジオでも、みなさんがいる部屋でも簡単に筋肉を鍛えることができる筋トレについて、All About 筋肉トレーニングガイド、ボディーデザイナーの森俊憲さんに、SBSアナウンサー牧野克彦が教えていただきました。(画像はすべて森俊憲さん提供)
※7月5日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

牧野:森さんは、株式会社ボディークエスト代表取締役でボディーデザイナーとして1万人以上に体型管理カウンセリングやパーソナルトレーニング指導などをされていらっしゃいます。ネットで見たのですが、森さんはかっこいい体型をされていて、ずいぶん鍛えてらっしゃるのではないですか?

森:説得力を持ってみなさんに説明をしなければいけないので、自分の体は商売道具として気をつけるようにしています。

牧野:筋トレは大事だと思うのですが、最近インナーマッスルトレーニングとかアウターマッスルを鍛えるとか、内側か外側どちらを鍛えればいいんだと、よくわからなくなっています。私は結果的にインド式のヨガをやってインナーマッスルを鍛えているのですが、内側と外側の筋肉をどのように鍛えればいいのか、何かお考えはありますか?

森:日常動作のため、競技スポーツのためなど、目的によってそのバランスは変わってくると思います。やはり、どちらかを偏って鍛えて強くしたり、もしくはおざなりになってしまった方が弱くなったりすることは良くないので、ある程度バランスを見ながらやった方がいいと思います。

牧野:なるほど! それでは、今回はこの暑さの中でも簡単にできるトレーニングを教えてください。

森:みなさんがなるべく手軽に実践できて、続けられることが非常に大事です。今回は、場所や道具などをあまり意識せずに行えるような、椅子を使った動きをいくつか紹介していきたいと思います。

最近、特にコロナで在宅の時間が増えて、外に出て動いていた方も現在は日々の活動量が減っていると思うんですね。そこで、オフィスでも家でも日常生活の中で繰り返し行う動作を、筋肉を鍛えるためのエクササイズ化していきたいと思います。

1.椅子から立つ時、座る時の「スクワット効果」

牧野:椅子から立ったり座ったりする動作は、日々ありますね。

森:おそらくみなさんカウントはしていないと思うのですが、1日に数十回やっていると思います。それをしっかりと筋肉を意識して体幹を使う形にしていきます。

まず、普通に椅子へ座った状態から、少し浅めに座るようにお尻を少し前に移動させ、しっかりと背筋は伸ばします。

腰もしっかり伸びている状態で、膝の角度は90度です。

その膝の角度を意識したまま立ち上がります。


牧野:腹筋のあたりをしっかり保っていないと立ち上がれないですね。

森:体幹をしっかり使っていただかないと、しっかり立つことができないと思います。そして立った状態から、ゆっくりと後ろにお尻を突き出すように座る。ドスンと座ってしまうと、どこの筋肉も使わない形になってしまいます。膝の角度をできるだけ90度に維持した状態を意識して、立ち上がったり、ゆっくりと腰掛けてみてください。

牧野:勢いや重力ではなく、自分の腹筋を使って立ち上がったり座ったりするのですね。

森:このときに注意していただきたい、2つのNG動作があるんです。ひとつは、立ち上がるときに、若干前にお辞儀するように上半身へ重心を持っていって立ち上がること。

NG動作その1 若干前にお辞儀するように上半身へ重心を持っていって立ち上がる


もうひとつは、無意識にしてしまうのですが、90度の角度を維持したまま立ち上がるのはきついので、補助動作として、立ち上がろうとする瞬間にかかとを後ろに引いてしまいがちなんです。

NG動作その2 立ち上がろうとする瞬間にかかとを後ろに引いてしまう


それをやってしまうと効果がなくなるので、最初は本当にきついと思うのですが、なるべく背筋を伸ばして膝の角度を意識して体幹を使って立ち上がります。

牧野:椅子に座ったり立ったりする機会は何回でもありますからその度にやるといいですね。

森:そうですね。まさにスクワットをしっかりその都度やるイメージになります。

2. 「片足浮かし」で大腰筋を鍛える

森:先ほど牧野さんからもお話があったインナーマッスルには、大腰筋という非常に大事な筋肉があります。胴体(上半身)と脚(下半身)という大きな身体パーツをつなぐ役目を持っていて、運動や姿勢維持のためには非常に重要な筋肉です。もも上げをするときに使うような筋肉ですが、インナーマッスルを意識しておかないと弱っていきやすく、また特に加齢に伴って弱くなっていきます。

例えば、歩いてるときにちょっとした段差でつまずいたり、階段を上がるときにちょっとつま先が段に引っかかるなどの経験をされた方もいらっしゃると思います。これがひどくなってくると転倒リスクがどんどん高まっていきます。最近運動をしていない方は、特に意識してやっていただければと思います。

椅子に座った状態で片足ずつどちらでも構わないのですが、足の裏を床から3センチぐらい浮かせてみてください。浮かせた足の方の太ももに若干負荷がかかってる状態だと思うのですが、その状態をキープしたまま、浮かせた足の膝あたりを上から手で押してください。

牧野:自分で負荷をかけるんですね。

森:浮かせた状態の足が、上から手で押されるのですが、足は床につかないように頑張る。手で押し込む力と足を浮かす力を使っていくと、大腰筋がかなり効果的に鍛えられるので、これだけの動作でもしっかりと加齢に抗えるような筋肉を作れます。

牧野:人間は足から老いるといいますから、そのキーポイントは大腰筋を鍛えているかどうかなんですね! 何秒ぐらいキープすればいいですか?

森:10秒ぐらいを目安にしていただき、片足ずつ10秒ぐっと力を入れて頑張ってみてください。それを、1日にできれば間隔が空いても構いませんので2、3回ぐらいやっていただくと、トレーニングとしては十分に効果が期待できるのかなと思います。

3.両足を浮かせた姿勢をキープしながら息を吐いて「腹筋」を鍛える

森:お腹まわりが気になる方は、お腹も鍛えましょう!

椅子の背もたれに背中をだらんとつけていただいて、両足を投げ出してください。

その状態で、自分の腹筋のところに両手の指先をつけた(置いた)まま、両足のかかとを床から10センチぐらい浮かせましょう。

その状態のまま、10秒ぐらいかけて息を吐いていきます。大きく吐き切ってください。そうすると自然に腹筋へ力が入って、指先で触っていると腹筋が硬くなるのがわかると思います。

以前ちょっと流行ったロングブレスというトレーニングの応用なんです。床から両足を浮かすだけでも腹筋は使っているのですが、それと同時に息を吐き切ることで、自然と腹筋が収縮するんです。腹筋自体もしっかり鍛えられます。

牧野:呼吸も深くしてしっかり吐き切ることで、腹筋を鍛えることにも繋がっているのですね。そのときに、両足を浮かせることでより負荷が高まるということですね。注意するポイントはありますか?

森:本当に自分のお腹から空気がゼロになるぐらいしっかり吐き切るということです。そうすると、意識していなくても腹筋を使える状態になって、指先で触って本当に硬くなるのがわかります。もし、指先で硬くなるのがわからない人は、ちょっと皮下脂肪がジャマしていると思うのでじっくり取り組んでもらえればと思います。

牧野:今回、森さんが教えてくださったのは、どちらかというとインナーマッスルを鍛えるものが中心ですか?

森:最初の立ち上がりの動作はスクワットに近い運動なので、アウターマッスルに近いお尻から太ももを鍛える形になるのですが、そのあとの2つ、大腰筋を鍛えるための片足を浮かせる運動と腹筋運動は、どちらかといえばインナーマッスルを鍛えるものですね。

牧野:やはりバランスが大事なんですね。負荷を強くするには、秒数をのばす感じでしょうか?

森:そうですね。やはりトレーニングはある意味で、あえてきついポイントを探すことなんです。ラジオ体操とは違い、やることが目的ではないので、あくまで自分の体が徐々に強くなるということをしっかり意識してもらいたいのです。例えば、最初は10秒でもきつかったけれど、来週からは1秒のばしてみようという感じで、何か自分の中で常に100%で終わりではなく101%を目指して繰り返していただくと、気がついたときには自分はすごく強くなったことを実感できると思います。

牧野:継続が難しいなと思うのですが、森さんのところにカウンセリングにいらっしゃる方は続けることはできているのでしょうか?

森:やはり、継続の一番の糧といいますか、モチベーションを上げてくれるのは「効果」なんです。ですから、ご自身で頑張りに対する見返りがしっかり得られていれば、本当に気分も上がり気持ちよくなります。もっともっと頑張りたいという気持ちも出てくるので、それが継続に一番つながる形になります。

牧野:そのためには適切な効果が出る運動をすることが必要なんですね。最後に、みなさんにメッセージをお願いします!

森:トレーニングというのは、物理的な作用と反作用の関係なのでやった分だけ必ず見返りがあります。そういった意味で、先ほどお伝えしたように毎日1%ずつの努力の積み重ねを意識してください。筋肉の新陳代謝(ターンオーバー)は3カ月なので、騙されたと思って3カ月続けてみていただければ必ず変化のポイントがやってきます。ですので、諦めずに頑張っていただければと思います!

牧野:わかりました!みなさん、まずは3カ月頑張りましょう!
今回お話をうかがったのは……森俊憲さん
株式会社ボディクエスト代表 ボディデザイナー、株式会社日本オンラインフィットネス協会代表理事、MSM BOX 恵比寿 代表トレーナー。All About 筋肉トレーニングガイド。累計16,000名以上への個別指導を実施。日本におけるオンラインフィットネスのパイオニアとして、企業向けの健康指導や各種メディア出演・企画監修等、幅広く活動中。『へやトレ』(主婦の友社)、『読む筋トレ』(扶桑社)など著書多数。YouTubeチャンネル「森俊憲TV」で、今回のトレーニングについての動画も公開中。

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