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猫背になりやすい冬の時期に効果的、椅子に座りながらできるストレッチと筋トレをAll About 筋肉トレーニングガイドでボディーデザイナーの森俊憲さんにSBSアナウンサー牧野克彦がお話を伺いました。(画像はすべて森俊憲さん提供)牧野:やっぱり冬の寒い時期は、背中が丸まりやすいですよね。
森:外が寒いと、どうしても前かがみになりがちです。今回は、背中をしっかり鍛えて背筋を伸ばしていくことを目的に、椅子に座った状態でできるものを4つ紹介します。
1.腕の付け根のストレッチ

森:椅子に浅く座った状態でリラックスして背筋を伸ばしてください。両手の指先を胸の上の鎖骨のあたりに置き、そのままの状態で腕を肩の根本から後ろに向かってぐるぐると回してください。
牧野:なるべく大きな円を描いた方がいいですか。
森:両サイドで大きな円を描くようなイメージで、外回りと内回りを2〜3回ずつ交互に行ってください。肩甲骨がしっかり動きますので、できるだけ腕の根元から大きく動かしてください。
牧野:これは普段あまり動かしていないところを動かしている実感がありますね。
2.エアチンニング

森:チンニングとは、懸垂動作のことを指します。こちらも椅子に浅めに座って、背筋を伸ばした状態で両手の平を広げながら、上側に向かってまっすぐ伸ばします。そこから、息をゆっくりと吐きながら拳を丸めるようなイメージで、ぐっと下側に引いていきます。
牧野:まさに懸垂をしてるような感じですね。

森:鉄棒にぶら下がって懸垂をしている様子を想像しながら、両手万歳の状態からゆっくり拳を丸めて引き下ろし、その際に背中側に力を入れるというイメージです。しっかりと力を入れるというイメージを持つと、背中の広背筋にもきちんと効いてきます。
牧野:上半身がポカポカしてきました。
3.リアレイズ

森:こちらは、肩周りの可動域をしっかりと作りながら、肩甲骨周りをしっかり動かすことによって、脂肪燃焼を手助けする効果があります。まずは椅子に座った状態から、上半身をお辞儀するように前側へ倒してください。倒したらその広背筋を伸ばした状態で、股関節から折りたたむように両手をだらんと床に向かって下ろしてください。その状態から肘を伸ばしたまま両腕をぐっと上にあげ、サイドに開いてください。前かがみになった状態から、腕だけ付け根から大きく広げていきます。

牧野:鳥が飛び立つような、そんな姿勢ですね。これはどこに効いているのでしょうか。
森:僧帽筋や肩甲骨周り、肩の周りを取り囲んでるような筋肉全体に効いてきます。肩こりにもすごく効果があると思いますので、お悩みの方はぜひやってみてください。
4.ニーローイング

森:背中の筋肉がちょっと弱いかなという方に、ぜひやってもらいたいです。膝を抱えて後ろ側に引くという動作になるんですが、椅子へ浅めに座った状態で片膝をちょっと上に持ち上げて、膝を前側から両手でつつむようにしっかりと抱えます。両手の肘が伸びてる状態にして、そこを起点に真後ろに肘を引いてくる。
ポイントは膝です。なるべくその引く力に抗うように、前側に力を入れるとより効果的です。肘をしっかり後ろに引きながら力を拮抗させるというイメージです。
牧野:これは、伸びますね。体の後ろ側がグーッと伸びて拮抗する中で、今まで眠っていた筋肉が目覚めてる感じがします。

森:さらに、脇をぐっと締めて行うとダイレクトに背中に効いてくると思います。
牧野:イメージの作り方が非常に大事なんですね。本日、4つ教えていただきましたが、大体どのくらいやると効果的ですか。
森:だいたい、各々10回ぐらいを1セットとして、すきま時間にやってみてください。例えば1日に2〜3回ずつぐらい、2、3セットやっていただくだけでも十分に効果があると思います。椅子に座った状態でできるので、在宅勤務の方にも本当におすすめです。
牧野:森さんから、皆さんがトレーニングに前向きになれるような一言をお願いします。
森:今日ご紹介した背中のトレーニングは、頭の後ろ側にも自分の目がついてるようなイメージで意識を高めてやると、効果が上がってくると思います。ぜひ頑張ってください。
今回お話をうかがったのは……森俊憲さん
株式会社ボディクエスト代表 ボディデザイナー、株式会社日本オンラインフィットネス協会代表理事、MSM BOX 恵比寿 代表トレーナー。All About 筋肉トレーニングガイド。累計16,000名以上への個別指導を実施。日本におけるオンラインフィットネスのパイオニアとして、企業向けの健康指導や各種メディア出演・企画監修等、幅広く活動中。『へやトレ』(主婦の友社)、『読む筋トレ』(扶桑社)など著書多数。YouTubeチャンネル「森俊憲TV」で、今回のトレーニングについての動画も公開中