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意外と知らない「牛乳」の効果。飲むのに最適なタイミングは?

熱中症予防にも! 牛乳を飲もう

みなさん、普段から牛乳を飲んでいますか? 今回のテーマは、暑い時期は熱中症予防にもなるという牛乳。一般社団法人日本乳業協会 企画広報部の尾崎裕司さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※6月1日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

牧野:尾崎さんご自身も、やっぱり毎日牛乳を飲んでいらっしゃいますか?

尾崎:朝・昼・晩にそれぞれ一杯ずつ飲んでいます。

牧野:1日3回もなんですね! 牛乳というと昨年末、生乳が余って廃棄の恐れがあるというニュースがあり、「牛乳を飲もう」といったキャンペーンが全国で広がった記憶があります。どうしてあのような状況が起ったんでしょうか?

尾崎:乳牛は涼しい気候を好むので、生乳生産は冬からから春先にかけて増加します。ですが最近はコロナの影響で飲食店やインバウンドの需要が落ち込んでしまい、今までのような消費ができない状況が続いていました。そこにきて冬休みや年末年始などで、学校や企業、官公庁が休みになると給食や食堂も止まるため、牛乳の需要が一時的に大きく減り、生乳が余ってしまう恐れが出てきたんです。

牧野:生乳を加工品用に使うことはできなかったのでしょうか?

尾崎:そもそも生乳の半分以上は牛乳類に振り分けられます。その需要は年間で一定ではないので、変動に応じてバターや脱脂粉乳などの加工品に振り分けているのですが、加工品の製造能力の上限までいってしまい、調整する余裕がなくなってしまったんです。

どんな栄養素が含まれている?

牧野:世の中の需要を読みながら裏で調整しているんですね! 改めて、牛乳にはどんな栄養素が含まれているのか教えてください。 

尾崎:牛乳はカルシウムを多く含むだけでなく、ビタミンAやビタミンB2の供給源にもなりますし、たんぱく質も含まれています。たんぱく質には、不可欠アミノ酸(必須アミノ酸)や分岐鎖アミノ酸をバランスよく含んでいます。

1日に飲む牛乳の理想的な量は?

牧野:先ほど尾崎さんは1日3回飲んでいるとおっしゃっていましたが、どのくらいの量を飲むのが理想的ですか?

尾崎:1日にコップ1~1.5杯を飲むといいと言われています。コップ1杯はだいたい200mlくらいです。

牛乳を飲むのにおすすめのタイミングは?

牧野:牛乳を飲むのにおすすめのタイミングがあれば教えてください。

尾崎:いつ飲んでも構いませんが、目的に合わせて最適なタイミングで摂ることもできます。例えば、朝の牛乳はその日の夜の寝つきをよくします。運動後に飲めば、筋肉の回復や汗で失われた水分の補給に、夜飲むと骨づくりに役立つなど、それぞれ効き目が違ってきます。

熱中症予防に適している?

牧野:よく熱中症予防のために水分をと言われますが、牛乳はどうでしょうか?

尾崎:熱中症予防には最適です。ミネラルを含んでいますし、汗で失われた電解質を補うことができます。

牛乳を飲みやすくするには?

牧野牛乳が苦手という方もいます。牛乳を飲みやすくなる方法はありますか?

尾崎:例えば、市販のジュースと混ぜてみるのはいかがでしょうか。牛乳とフルーツジュース(果汁100%のもの)なら1対1がおすすめです。コーヒー、紅茶などと混ぜて飲んでもいいと思います。あとは、料理に使うのもおすすめです。それでも牛乳が苦手な方は、ヨーグルトやチーズでもカルシウムやたんぱく質を摂ることができますよ。

牧野:番組リスナーから驚きのメールが来ました。「牛乳とたくあんが合います。たくあんをポリポリ含みながら牛乳を飲むと最高の味なんです」とのこと。

尾崎:和食と牛乳は合うと言われています。

アメリカで始まった食生活運動「3-A-Day(スリー・ア・デイ)」

牧野:食生活を変えようという運動で、「3-A-Day(スリー・ア・デイ)」という考え方があるそうですが、具体的に教えてください。

尾崎:2003年にアメリカで始まった食生活改善運動です。「1日3回または3品、牛乳・ヨーグルト・チーズをどれでも自由に食生活に取りいれて、健康にいい食事を実践しよう」という活動です。

例えば、おやつにヨーグルトを食べてみる。アルコールのつまみにチーズを選んでみる。あるいは朝、牛乳をそのまま飲む。牛乳が苦手な人はコーヒーや紅茶に入れてみるなど、「1本飲まなくてはいけない」とか「1袋食べないといけない」ということではなく、手軽に一口食べたり飲んでみようということです。

骨密度低下の予防にも!

牧野:これなら1日3回無理なく続けられそうですね。私と同世代の女性でも、最近骨密度が落ちてきたと聞いたりします。そういったものの予防にもなりますよね。

尾崎:そうですね、人の骨は食事から摂取したカルシウムによってつくられるのですが、骨密度は成長に伴い、20歳ごろに最大(最大骨量)になってからなだらかに推移し、50代以降に低下することが知られています。この最大骨量に至る小学生から高校生の時期にカルシウムとビタミンDなどの栄養摂取と適度な運動・日光浴によって最大骨量に達した際の骨密度を高めることができるんです。若い時期に積極的に摂取し、その後も減らないようにカルシウムを補給し続けるのが大事だと思います。

牧野: 若い世代のうちに貯めておくのがいいと。非常に勉強になりました。ありがとうございました!

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