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熱中症になる前のサイン!?「かくれ脱水」とは

夏バテと思ったら実は「かくれ脱水」!?

このところ熱中症の救急搬送が増えていて、そうしたニュースも多くなりました。今回は、熱中症になる前のサイン「かくれ脱水」について、教えて!「かくれ脱水」委員会・副委員長で済生会横浜市東部病院 患者支援センター長の谷口英喜さんに、SBSアナウンサー牧野克彦がお話をうかがいました。
※7月6日にSBSラジオIPPOで放送したものを編集しています。

牧野:熱中症になる前のサイン「かくれ脱水」とはどういう症状でしょうか?

谷口:「かくれ脱水」は脱水症の一歩手前、気がつかないうちに体の水分が減ってきている状態で、実は私たちは毎日のようになっているのです。疲れやすい、だるい、食欲がないなどの夏バテに似たような症状があらわれます。

脱水症とは身体の水分が不足してしまい、さまざまな症状を起こす状態のことを言います。さらに高体温という症状が出て、身体に不調をきたすのが熱中症です。

熱中症は、暑い環境で体温が上昇してしまうことでも起こります。さらに並行して、身体の水分不足により脱水症をおこし、本来ならば汗をかくことで体温を冷やすという、もともと人間に備わっている体温調節機能を果たせないことが、熱中症のさらなる引き金になります。そのため熱中症になった時には、体温が異常に上昇し、脱水しているという状態が起こっているということです。

牧野:なんか疲れたなと思ったら、もしかしたら脱水症状が起きはじめているかもしれないのですね。

谷口:そうですね。脱水の症状は、特に高齢者では疲れとして出ることが多いと言われています。

牧野:どうして「かくれ脱水」になってしまうのでしょうか?

谷口:暑さで汗をかいたり、マスク着用で喉が渇きにくく水分補給が遅れたりといった、体内の水分量のアンバランスで起こります。

牧野:どのような人が「かくれ脱水」になりやすいですか?

谷口:小さいお子さんや高齢者、そして糖尿病や高血圧などの持病がある方たちがなりやすいと考えられます。

牧野:よく、高齢者は気がつくのが遅くなってしまうと聞きますが?

谷口:やはり、高齢者はのどの渇きに鈍感になってしまうのです。そして、暑さを感じにくくなるので、どうしても水分補給が遅れてしまいます。

牧野:子どもたちもそうなのですか?

谷口:子どもたちは体全体がみずみずしいので、一見、水分が多そうにみえますが、それを保たないといけません。新陳代謝が激しいので常に水を必要としているため、水分補給というよりも「好きなときに、好きなだけ」飲ませてあげないと、暑い季節は厳しいです。

牧野:冷房の効いている室内にいたら、かくれ脱水になりにくいですか?

谷口:そんなことはありません。やはり、水分をとらないで寝ている時や長時間運転する時は、かくれ脱水の危険があります。

対策や予防法

牧野:対策としては、水分補給でしょうか?

谷口:そうですね。まずは適切な水分補給、できれば時間を決めて薬のように水分補給をしてもらいたいです。量としてはそんなに多くなくて大丈夫です。コップ1杯程度を1時間に1回を目標に、飲むものは水やお茶が基本になります。

牧野:ビールはだめですか(笑)?

谷口:ビールは水分補給になりませんので、ビール以外のものと理解してください。

牧野:頻尿だから水分を控えたい人もいると思うのですが。

谷口:特に寝る前に控える方が多いですが、これは危険なことなのできちんと時間を決めて、寝る前も朝起きても飲むようにしていただきたいです。やはり命を守ることの方が暑い時期には大切なので、極端な話、トイレに起きたときも水分補給ができるんだということで飲んでいただきたいです。

牧野:すでに頭が痛い・疲れているなど症状が出始めている方も、その時点からでも飲んだ方がいいですか?

谷口:飲んだ方がいいです。熱中症になりかけているので、その時は水やお茶ではなく経口補水液という市販の飲料を飲んでいただきたいです。経口補水液は塩分が高く糖分が抑えられていて、非常に水分吸収に優れています。熱中症についての医師のガイドラインにも経口補水液を飲むように掲載されているので、対処として使ってほしいです。

牧野:かくれ脱水にならないための予防法はありますか?

谷口:先にお伝えしたように熱中症は脱水症からくるのですが、脱水症は予防効果が高いのです。基本的な予防は、睡眠と食事をしっかりととること。そして、こまめな水分補給と暑さを避けることです。

もし熱中症になったら?

牧野:やはり基本的なことが大事なのですね。もしも、かくれ脱水の症状を越えて熱中症などになってしまったら、どうしたらいいですか? 

谷口:2つのことをやってください。ひとつは、涼しい場所に移動して体を冷やすこと。具体的に冷やす場所は、首や脇などの血管が太い場所が効果的といわれています。もうひとつは水分補給。即座に経口補水液を飲めるだけ飲む、なければ水やスポーツドリンクをとにかく飲むことです。

牧野:熱中症が酷い場合は救急車を呼んでいいものでしょうか?

谷口:「自力で水分が飲めこと」と「意識がはっきりしていること」、この2つができれば呼ばなくてもいいと思います。両方が満たされていれば自分たちで対処することができます。片方でもダメな場合は、救急車を呼んでください。

牧野:これだけはやらない方がいいこと、気をつけた方がいいことはありますか?

谷口:熱中症になると体が熱くなるので冷しますが、おでこや頭を冷やしてもあまり効果がありません。先ほどお話したように、とにかく太い血管を冷やしてください。

牧野:最後に、みなさんにメッセージをお願いします!

谷口:この夏はコロナ対策、熱中症対策、節電という3つの対策しなければいけません。焦らずに正しい情報を得て対処していただきたいと思います。

牧野:ありがとうございました。

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免責事項
今回お話をうかがったのは……谷口英喜先生
「教えて!『かくれ脱水』委員会」副委員長 済生会横浜市東部病院 患者支援センター長兼栄養部部長。専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。日本麻酔学会指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、TNT-Dメディカルアドバイザー。1991年、福島県立医科大学医学部卒業。

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