休憩所に”50円の自販機”設置も...6月から義務化した『職場の熱中症対策』静岡県内の建設現場でも入念な対策

6月2日も静岡県内各地で25℃以上の夏日を観測するなど暑い日が続きますが、6月から国が企業に対して義務付けたのが職場の熱中症対策です。県内の建設現場を取材してみると入念な対策が進んでいました。

静岡県焼津市に本社を置く「橋本組」では、連日、屋内外で従業員が力仕事を行っています。こうした現場で、1日から義務化されたのが熱中症対策です。

<橋本組現場代理人 増田祥さん>
「休憩所になります。現場にもあったミスト、冷水器、50円で購入できる自販機を用意しています。作業員が不自由なく飲めるようにしています」

企業の義務となったのは、熱中症のおそれがある人を見つけた時の連絡体制の強化や、医療機関に運ぶなど重篤化を防ぐための具体的な手順をまとめ、それを共有すること、などです。

対象となるのは、従業員の職場環境が国際的に定められた「暑さ指数」が28以上もしくは、気温が31℃以上の環境で、さらに連続で1時間以上、または、1日合計で4時間を超えて働く企業です。

対策を怠ると、6か月以下の拘禁刑もしくは、50万円以下の罰金が科されます。「橋本組」でもチェックシートの記入や塩分がとれるタブレットの配布など入念な対策をいくつもとってきました。

<増田さん>
「作業員の方にも今一度見つめ直していただく機会となるので。教育をしていきたい」

<橋本組 佐山葵さん>
「自分自身が働く身としても職人さんとしても対策してあるのは、安心材料になる」

義務化の背景にあるのは、熱中症による死亡件数の増加です。全国の職場における熱中症の発生状況を見てみると、死亡にいたった件数が2年連続で30人レベルとなっています。

そのほとんどが初期症状の放置や医療機関へ運ぶなどの対応の遅れが原因だといいます。今回の対策の義務化は、現場で素早く動ける体制を事前に整えておくことが命を守るのに直結するからこそです。

<静岡労働局健康安全課 皆野川順夫課長>
「意識がない状態で倒れると、防御姿勢が取れなくて、熱中症でというよりも、倒れたことで頭部を打ったり骨折したりというケースもあるので。早く見つけて、早く対処をして、早く医療機関の受診などができるように」

年々深刻になる猛暑への備えは、働く現場にとってはまさに喫緊の課題です。

静岡労働局によると、県内では2024年までの13年間で計8人が熱中症で亡くなっています。熱中症の初期症状はめまいや立ちくらみ、眠気などがあてはまるため、別の体調不良と勘違いし対応が遅れがちになるということですので周りで声を掛け合うなど意識して注意することが大切です。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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