
ビジネスの場だけじゃない!子育てにも使える「コーチング」とは?
そもそも「コーチング」ってなに?
ビジネスシーンなどで使われるコミュニケーションの手法であるコーチング。最近子育ての場でも注目されています。パーソナリティの鉄崎幹人とSBSアナウンサー山﨑加奈がコーチングトレーナーの村井智明さんにお話を伺いました。
鉄崎:前回は村井さんにメンタルケアについて伺いました(そのときの記事はこちら)。今回テーマのコーチングとは、なんでしょうか?
村井:コーチングとは、「傾聴」「質問」「承認」という3つのコミュニケーションスキルを使い、行うもの。相手の話に耳を傾け、観察や質問、ときに提案などをして相手の内面にある答えを引き出す目標達成の手法のことです。
山﨑:そのコーチングが、子育ての場でも注目されているそうですね!
ビジネスにおけるコーチング
村井:そもそもコーチングは1990年頃からビジネスシーンで注目されてきました。昔は部下が失敗すると、上司が頭ごなしに叱責するような場面が見られました。指導として叱責だけの指導ではよくないということで、失敗の原因はなんなのか、どうすればなくせるのか、確実になくす方法は?など部下から失敗しない方法を導き出す「人材育成」として使われるようになったんです。鉄崎:失敗した本人に導きださせるんですね。それが子育てにも有効なんですか?
子育てにおけるコーチング
村井:子育てでコーチングが注目され始めたのは2000年頃からです。その頃「褒めて育てよう」という子育て・教育が注目されるようになったことが背景にはあるんですが、当時の親世代は、自分が叱咤激励の中で育ったので、褒める教育に慣れていなかったんです。子育て中の悩みの代表的な言葉に「気づくと怒ってばかりで」とか「言うことを聞いてくれない」などがあったことから、コーチングが注目されるようになりました。実は、「怒る」と「叱る」という言葉には違いがあります。怒るというのは感情的なことで、自分のためなんですよね。叱るというのは起こった事実を見据えて対策の言葉を伝える、これは相手のためなんです。「言うことを聞いてくれない」ということをよく聞くんですが、これは自分の感情に任せて怒るのと一緒で、子どもにわかるような言葉で伝えていないかもしれない。「聞いてくれない」というのは、子どもは親の鏡なんですよね。子どもに対して親の聴く姿勢が伝わっていないのかもしれないです。
鉄崎:まず自分を省みる、親がちゃんと子どもの話を聞いているのかということが大事になるんですね。
村井:褒めることに慣れていないというのも、あると思うんです。でも、よく勘違いされるんですが、褒めるということは認めることなんですよね。だから、できたという小さな積み重ね(スモールウィン)を「よく頑張ったね」「あなた自身の成果だよ」などと伝えることによって、子ども本人が認められたと自信を持てるようになるんです。
鉄崎:なるほど。子育てのコーチングは他にも色々ありそうですね。
コーチングの手法
村井:コーチングの手法を紹介します。先程も言いましたが、答えは相手の中にあるので、最後まで丁寧に聴くということが重要です。具体的には以下の6つを意識してください。1.目線
しっかりと目線を合わせる。ただし、緊張してしまう場合は外すことも大事。2.ペーシング
声のトーン、聴く姿勢、呼吸、しぐさ、表情などを相手に合わせる。3.ミラーリング
相手と同じ行動をとる。相手が黙ってしまったら、一緒に沈黙することも大事。4.リフレイン
バックトラック(オウム返し)をする。5.承認
あいづち、うなずきをする。6.促し
前向きな接続詞を会話の中に入れる。「そして」「ところで」「つまり」「それとも」など。「きく」には、「聴く」「聞く」「訊く」があります。「聞く」は耳に入ってきた音を認識するということ。「訊く」は知らないことや興味が湧いたことをたずねるということ。「聴く」は分解すると、耳と十と目と心という字になりますね。十分に目と耳と心で相手の感じていること、伝えたいことを愛をもって理解しようとすることが大事となります。
鉄崎:コーチング、日常生活でぜひ実践していきたいですよね。今回もありがとうございました。
今回、お話をうかがったのは……村井智明さん
和裁士の経歴を持ちながら、長年事務職として勤務を経て「人が環境をつくり、環境が人をつくる」をテーマにコーチングトレーナー、カラー&コンサルタントとしてカウンセラーの他、SBS学苑講師、静岡県人づくり推進員、家庭教育支援員等で十人十色の「生きるチカラ」を伝えサポートする。一般社団法人てらこや千聚理事。
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