「もう15年経ったのかという思いがありますね」浜岡原発"全停止"決断の裏側 元経産相・海江田万里氏が振り返る当時の状況

静岡県御前崎市の浜岡原子力発電所が政府の要請で運転を停止してから、2026年5月14日でちょうど15年を迎えました。

2026年はじめに公表された中部電力のデータ不正によって再稼働が遠のく中、原発に対する思いは交錯しています。

■「永久停止」を求める市民の声、今も働く3000人

<鈴木康太記者>
「午前8時前です。浜岡原発に多くの人が出勤していきます」

浜岡原発は15年前からすべての原子炉が止まったままですが、今も約3000人が働いています。

1、2号機の廃炉作業や、再稼働を前提とした設備の点検作業などが今も続いています。

■徒歩5分の民宿「たけゆう」:消えた作業員と予約ゼロの現実

浜岡原発から歩いて5分ほどの場所にある民宿「たけゆう」は、地元で採れた山菜料理が自慢で、期間を区切って浜岡原発で働く作業員に人気の民宿です。

<たけゆう 竹田哲矢さん>
「僕が小さい時に見た部屋は、1、2、3で押し入れの中に人が寝ていたこともありましたね。きょうの宿泊予定はゼロですね。1週間くらいは予約がない状態ですね」

浜岡原発で働く従業員の数は多いときは1・2号機の廃炉作業に加え津波対策工事もあり、5000人近くいました。

竹田さんは「まさかこんな15年も引きずるとは誰も考えていなかったと思う」と胸の内を明かしました。

静岡市の中心部では5月14日、浜岡原発の再稼働に反対する市民グループは、「浜岡原発はこのまま永久停止するべき」と訴えました。

■2011年5月:海江田元経産相が振り返る「全停止要請」の舞台裏

<菅直人総理(2011年5月当時)>
「全ての原子炉の運転停止を中部電力に対して要請致しました」

すべては15年前の菅総理(当時)のこと一言から。突然の要請でした。

当時の民主党政権で経済産業大臣を務めていた海江田万里さん(77)は、当時の状況を振り返りました。

<当時の経済産業大臣 海江田万里さん>
「もう15年経ったのかという思いがありますね。菅総理の記者会見の前後が大変でしたね」

総理の停止要請の前日、海江田さんは浜岡原発を訪れていました。

■「(止めるのは)全部です」と総理に伝えた

元経済産業大臣 海江田万里さん(77)

「津波対策の確認」が名目の視察でしたが、その日には総理に自身の考えを伝えました。

<海江田万里さん>
「浜岡は危ないから、日本全体のことを考えて、今あそこで事故を起こすわけにはいきませんから止めましょうと言いましたら、(総理が)『(再稼働を控える)3号機か?』ということを述べましたので、『いや、全部です』と言いました」

政府内のごく一部では、浜岡原発を全停止した場合のシミュレーションまでしていたといいます。

政府からの要請を受け、浜岡原発は2011年5月14日に運転を停止。あれから一度も稼働していません。

海江田さんは「当時の経済産業大臣の立場にあった私とすれば、他の判断はなかったのかなと思います」と述べました。

原発のまちにとって、政府の判断は受け入れがたいものでした。

■「半永久的に止まる」元市長が抱く町の未来への危機感

当時の御前崎市長 石原茂雄さん(78)

<当時の御前崎市長 石原茂雄さん(78)>
「田舎なんかこんなもんかって感じだよね。きついね、厳しいね、やることが」

当時、御前崎市長だった石原茂雄さん(78)にとって、15年前の衝撃は今も忘れられないと振り返り、現在の再稼働の見通しについても厳しい見通しを示します。

<石原茂雄さん>
「15年たっても再稼働の話はないんだから。半永久的に止まるよ。あと5年、10年も経てば、廃炉廃炉で進んでいくよ、全部。御前崎のまちはどうやっていくんだと」

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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