【浜岡原発停止から15年】原発との共存 恩恵と拭えぬ懸念 「残していいのか」ジレンマも...岐路に立つ御前崎市

15年前の浜岡原発停止以降財政が悪化しているのが、原発が立地する静岡県御前崎市です。

原発との「共存共栄」を合言葉にしてきたまちは今、岐路に立たされています。

■原発交付金は横ばい

浜岡原発のおひざ元である御前崎市は、原発が立地していることで固定資産税やさまざまな交付金などの恩恵を受けてきました。

国から御前崎市に出された原発交付金の変遷です。3号機、4号機、5号機と新たな原子炉が建設されるたびに増えました。

5号機以降は新たな原発建設がなく、交付金も横ばいの状態が続いています。

■市立図書館:本を購入するための予算は毎年100万円ずつ減額

<鈴木康太記者>
「交付金で建てた施設は作れば終わりというわけにはいきません。維持にもお金がかかり、施設では老朽化が問題となっています。御前崎市民プールでは、天井の雨漏りの跡や、壁の雨漏りの跡など様々な老朽化の跡が見受けられます」

市は利用者に負担を求め、2025年に大幅な値上げを実施しました。

一方、市立図書館では本を購入するための予算がここ数年、毎年100万円ずつ減らされています。

■「3万人弱の市民にふさわしくない公共物が建っていく」

<浜岡原発を考える会 伊藤実さん>
「どちらかというと、無用の長物。3万人弱の市民にふさわしくないような公共物が建っていくわけですよ」

こう話すのは、伊藤実さん。浜岡原発の立地する佐倉地区に育ち、50年以上、反対運動を続けてきました。

<浜岡原発を考える会 伊藤さん>
「年寄りは散々交付金などでいい夢を見させてもらってもね、若い世代はずっとこれを抱えて生きていかなきゃいかんわけでしょ?孫や子どもの世代にこういうものを残していいのか?っていうことだと私は思います」

御前崎市の税収は、浜岡原発5号機が営業運転を開始した翌年の2006年度(115億6000万円)がピークでした。

2025年度には約67億円となり、ピーク時の約6割にまで減少しています。

■新たな一手:国内でも珍しい「使用済み核燃料税」の導入案

こうした状況の中、御前崎市議会は「使用済み核燃料」に課税する「使用済み核燃料税」の創設に動き出しました。

「使用済み核燃料」に課税しようという、この税金を提案した高田和幸市議です。

<御前崎市 高田和幸市議>
「いわゆる財政健全化というテーマで一般質問をしてきた中で、この使用済み核燃料税の導入について少し触れた。使用済み核燃料なので十分冷えたものも当然あるが、あるよりないほうが良いのは当たり前。早期に(御前崎から)出してもらうために、使用済み核燃料税を導入して中部電力に域外への搬出を促すような形をとったらどうか」

浜岡原発には現在、計6542体の使用済み核燃料が貯蔵・保管されています。この税金は、使用済み核燃料を市外への搬出を促す狙いがあるといいます。

そのうえ、市の財政健全化を図るため、新たな税を導入することを考えました。

■「依存」から「共存」へ:市長が描く将来計画

「依存」ではなく「共存」と語る下村勝御前崎市長

2026年に入って中部電力が浜岡原発の安全審査で地震データを改ざんしていたことが発覚。浜岡原発の再稼働の道が遠のく中、御前崎市は原発依存の現状をどう変えていくか岐路に立たされています。

<下村勝 御前崎市長>
「できるだけ依存っていう形ではなく共存のような形でお互いが前向きに市が良くなっていく方向に機能するのであれば非常にいいと思っています。もし再稼働した場合に予算が増えた場合に何に使うかということもちゃんと含めて将来計画も同時に走らせないといけないので、そこは両方のパターンで考えている」

下村市長は、原子力発電は日本の電力事情を考えると必要な選択肢としています。

中部電力のデータ不正によって再稼働が見通せないなか、「使用済み核燃料税」を含め、「共存共栄」は遠い道のりです。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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