
5月14日、静岡県御前崎市の浜岡原発は運転を停止してから15年となります。
浜岡原発からの温水を利用し、魚の養殖などをしていた施設ではこの15年間、ボイラーで水槽を温め続けています。
■御前崎の特産「幻の魚」クエの魅力
御前崎市の特産である「クエ」は、身が白身で柔らかく、刺身や鍋料理にすると味は抜群です。
天然ものは漁師でもなかなかお目にかかれないという幻の魚です。
■国内初の完全養殖に成功した「温水研」

浜岡原発のすぐ隣にある県温水利用研究センター、通称・「温水研」は、クエの完全養殖に国内で初めて成功した施設です。
<温水利用研究センター 石神一雄所長>
「こちらは中部電力から送られてくる温水、温排水。冷水と書かれているのは、海水。ブレンドして、だいたい18℃台を目標に、その時に適した温度にして、場内に送り込みます」

原発ではタービンを回す蒸気の冷却のために海水を使います。
その過程で生じる、自然の海水よりも7℃ほど水温が高いものを「温排水」と呼び、これを有効利用する目的で設立されたのが「温水研」です。
■50年以上担ってきた水産資源回復の役割
天然の水産資源が減り続ける中、ヒラメやマダイといった魚の卵を人工でふ化させ、稚魚に育てて海に放流するという静岡県内の漁獲量回復において重要な役割を50年以上担ってきました。
こうした繁殖やクエの完全養殖を可能にしていたのは、原発から1年を通して供給され続けていた温水でした。しかし...
<菅直人総理(2011年5月当時)>
「すべての原子炉の運転停止を中部電力に対して要請をいたしました」
2011年5月、当時の菅直人総理による要請を受けて浜岡原発が運転を停止しました。これと同時に、施設への温水の供給も止まりました。
■原発運転停止でボイラーを倍増し水温を保つ

<温水利用研究センター 石神所長>
「こちらがボイラーの部屋。もともとは中部電力から7℃高い温排水が来ていたので、ボイラーは補助的に動かすだけだった。この15年間は、温排水も来ないので、ボイラーを使って、水温を上げている」
浜岡原発が運転を停止してからボイラーを倍増。この15年間、夏の期間以外はボイラーを回し続け、水温を保っています。
■原油高騰がもたらす新たな試練と「4年の歳月」
さらにいま、中東情勢の緊迫化によって原油高騰の波まで押し寄せています。当然、使える原油の量にも限りがあり、冬場も水温を保てるのは繁殖用の水槽だけです。クエの養殖にまで温水を回す余裕はありません。
<温水利用研究センター 石神所長>
「地元の料理人が言うには1.5キロから2キロくらいのクエが使い勝手が良いと。温排水がある頃は2年で1.5キロ程度に育っていたが、温排水が止まってからの15年間は冬場は水温が下がり、クエが成長しないため、このサイズになるまでに倍の4年かかります」
浜岡原発の運転停止で当初のメリットが無くなってしまった温水研。
15年間、矛盾を抱えながら魚を育て続けています。
※御前崎市でクエを食べられるのは11月から2027年3月まで










































































