
「コメは買ったことがない」などと発言した江藤拓農林水産大臣が5月21日に辞任を表明し、後任に自民党の小泉進次郎前選挙対策委員長が起用されました。小泉氏の起用に静岡県民や生産者からは、疑問と期待が入り混じった声があがっています。
<江藤拓 前農林水産大臣>
「所管の大臣として極めて不適切な発言をしてしまった。このことは改めて国民の方々に心からお詫びを申し上げたい」
21日朝、石破茂総理に辞表を提出した江藤農水大臣。コメの価格が高止まりする中、「コメは買ったことがない」などと発言したことが批判を集め、事実上の更迭となりました。石破総理は、後任に自民党の小泉進次郎前・選挙対策委員長を起用されました。
<小泉進次郎新農林水産大臣>
「(総理から)消費者に安定した価格でコメを供給できるよう強力に取り組みを推進すること、特にここだと、ご指示をいただいた。コメ担当大臣だというような思いで集中して取り組んでいきたい」
この一連の動きを静岡県民はどう見ているのでしょうか。
<静岡県民>
Q. 後任に小泉氏起用について
「適材適所かは分からないが、人気取りのためかなと思った」
「(小泉純一郎氏の)息子っていうイメージしかない。過去に変な発言をした印象がある」
「年齢は比較的、若い方なので期待はある。食料品は基盤なので安定した価格で提供できるような仕組みづくりをしてもらいたい」
浜松市でコメを生産する「じゅんちゃんファーム」です。江藤大臣の発言に怒りを表しながらも、小泉新大臣には、農家を支援するような政策を打ち出してほしいと話します。
<じゅんちゃんファーム 宮本純社長>
「農機具が非常に高騰している、2割から3割上昇している。増産したくても機材がなくて増産できないという農家さんがたくさんいる。増産するための機材だったら、農林水産省で補助するというような政策、機材に対する補助を今すぐにでも打ち出してほしい」
静岡の政治に詳しい専門家は、小泉氏の起用は、夏の参院選をにらんだ人選だと分析します。
<法政大学大学院 白鳥浩教授>
「国民的人気のある小泉氏を選ぶことによって場合によってはコメ価格が高騰している中、石破政権の支持率が非常に低いわけですけれども、支持率を回復させていく起爆剤となる可能性がある。小泉氏が閣僚の一人として登壇することになれば、選挙に対して追い風が吹く一定の効果もある。その1つの賭けに出たと言ってもいいだろうと思う」
小泉新大臣の手腕によって、コメの価格は低下していくのか。今後の動きに注目が集まります。