
コメ問題の対応にあたる政府の司令塔・江藤拓農水大臣が「コメは買ったことがない」などと発言したことが、静岡県内にも波紋を広げています。大臣の資質を問う声も上がっていて県民の怒りや疑問は収まりそうにありません。
<江藤拓農水大臣>
「私もコメは買ったことありません、正直。支援者の方々がたくさんコメをくださるんでですね。まさに売るほどあります、私の家の食品庫には」
本人曰く、ウケ狙いだった江藤拓農水大臣の発言。5月19日になって発言を撤回・謝罪したものの、その余波は収まりません。
<LIVEしずおか 井手春希キャスター>
「江藤大臣の発言に対して、消費者はどう思っているでしょうか」
<消費者>
「国民消費者と農家に失礼」
<消費者>
Q. 江藤大臣のあの発言がありましたけど、どう?
「あ~…大臣としての資格がありませんね、世間を何も知らないでよくやってるなと思う」
<消費者>
「市民と同じ生活レベルをしたことがある人が本来は政治をしていくことが一番いいと思う」
総務省の家計調査によりますと、静岡市は、過去3年の平均でコメの購入額が全国1位です。一方、最新のコメの平均価格は、5キロあたり4268円で2024年の同じ時期の2倍に。
静岡市駿河区のスーパー田子重西中原店では、19日から個数制限をしていて、満足に売るものがない状態です。
<スーパー田子重西中原店 増田克己店長>
「6月にもまた値上げするということなので、お米が潤沢に用意できれば値段は下がると思うが」
富士市の飲食店「米えにし」は、土鍋で炊いたご飯のお替り無料サービスを展開しています。経費を切り詰めるなどして、ご飯食べ放題をギリギリで続けています。江藤大臣に対しては、日本人の主食・お米を安心して食べられる環境を整えてほしいと訴えます。
<米えにし 秋山俊雄社長>
「大臣も背景や意図があっておっしゃったと思うが、お米が普通に手に入る状況ではないので残念だなと」
一連の騒動を受け、石破総理は江藤拓農水大臣の発言について陳謝した上で、「コメの価格高騰に答えを出すことが農水大臣の仕事だ」と続投させる考えを示しています。
藤枝市でコメを生産する金澤さんは、大臣の発言を政治問題にするよりも農業環境の改善を考えてほしいと話します。
<ファーミング藤枝 金澤良和代表>
「確かにあれは大臣として失言だと思います。失言です、あれは。でも、心から謝っているのであればそんなに長くいつまでも尾を引かず良しとして、一生懸命農政やる方向に向いて頂ければと思います」
江藤拓農水大臣をめぐっては与野党から「不適切」だと批判の声が上がっていて、その進退が注目されています。