町のコメ店落胆…「最低量10トンなんて、夢のまた夢」“古古古米”の随意契約申し込み開始「どうやって精米を」スーパー困惑

5月30日から中小企業を対象にした備蓄米契約の申し込みが始まりました。静岡県内のスーパーや町のコメ店では並ぶようになるのでしょうか。

<小泉進次郎 農林水産大臣>
「隅々までできる限り、広く多くの方に備蓄米が届くように、そんな思いで新たな随意契約を始めた」

小泉進次郎農水大臣は、2021年産の「古古古米」を5キロ1800円程度で販売できるよう、中小の小売店に売り渡すと発表し、30日から申請が始まりました。「古古古米」に消費者はー。

<買い物客>
「(古古古米)どうですかね。食べてみなきゃわからない」
「(古古古米について)不安は正直ある。いつもは古いコメを食べたことが無いのでどのくらい味が違うか分からないので1回食べてみたい」

静岡市内のスーパー「ヒバリヤ」では、随意契約の申請に向けて動いています。29日に農水省が行った中小スーパーやコメ店を対象にした随意契約の説明会に担当者も参加しました。参加者は1000人を超え、約1時間にわたった説明会。担当者は難しい表情でパソコンを見つめていました。

<ヒバリヤ営業本部 山岸達也部長>
「本当の中小企業の人たちが困っているところは、お客さんに売りたいのに物ができていない、お米じゃない状態でもらって、どうやって精米するか、受け渡しするかまだまだ大変だと思う」

一般的にコメは、生産者から集荷業者、そして、卸売業者へと流れ、精米作業は主に卸売業者が担います。しかし、今回は卸売業者を飛ばして、直接、小売りに行くルートを検討しています。ただ、小売業者は精米設備を持たない所が多く、備蓄米をいったい、どこで精米するかで頭を悩ませています。

<山岸部長>
「きのうからバタバタ。問題が出るに対して商品部では『どうしよう』と対応しているうちに『次はこういう対応してください』と話が出て…」

中小の小売業者や精米設備のあるコメ店を対象とした今回の随意契約。2021年産のコメを8万トン放出する予定で、各業者は10トンから1000トンまで申し込めます。この最低量10トンが町のコメ店にとっては大きな重荷だと言います。

<加藤米店 加藤勝さん>
「精米機があるから(契約できる)対象にはなるが、その他のところが到達しない。ここが玄米の倉庫だが、入って240キロくらい。10トンなんて、夢のまた夢」

小さなコメ店にとって厳しい契約条件に加藤さんも困り顔です。

<加藤さん>
「21年度産の古古古米、いままで見たこともない扱ったこともない。備蓄米は諦めている」

急ピッチで進む国の対応に、町のスーパーやコメ店の試行錯誤が続きます。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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