なぜコメの価格は下がらないのか? 備蓄米が届いていない店も…価格高騰まだまだ続くか 流通経済の専門家「支える意味でも積極的に食べて」=静岡

コメの価格高騰が収まりません。4月14日に農林水産省が発表したコメの平均価格は5キロあたり4214円と14週連続で値上げとなりました。コメの価格は、なぜ下がらないのでしょうか。

<米農家 小宮山光文さん>
Q.今、お米の作業は何を?
「今はこの作業で全体通しての作業かな。これ育苗といいまして、田植えをする苗の下ごしらえみたいな」

静岡県御殿場市でコシヒカリを育てる米農家です。4月下旬の田植えに向けてビニールハウスで苗を育てています。気温が上昇し、順調に生育が進む一方で気がかりなのがコメの価格です。

<米農家 小宮山さん>
Q.今の値段は高いと思う?
「我々としては高いとは思わないんですよ。結局赤字に近い」
Q.上げてくれた方が農家としては助かる?
「助かりますけど、そうも言えないんで、ご飯食べてもらえれば作ってる張り合いがあるから」

農林水産省が発表した全国のスーパーでのコメの平均価格は4月6日までの1週間で5キロあたり4214円。14週連続で値上がりしていて2024年の同じ時期の2倍を超える価格です。

<社会部 大西晴季記者>
「静岡市内のスーパーです。こちらコメの売り場にはさまざまな種類の商品が並んでいますが、5キロの商品は、税込みだと全ての商品で4000円を超えてしまっているような状況です」

<買い物客>
「高いですよ。堪えますよ。堪えますけど、毎日食べるものですからね、買わなきゃしょうがないですもの」

<買い物客>
「年金生活者だから、手ごろな値段に戻してもらいたいね」

<買い物客>
「お弁当を持って行くので、夕飯は麺類とかご飯を使わない」
Q.お米好きですか?
<子ども>
 「好き」

こちらのスーパーでは、「今のところ品切れはない」と話しますが…

<富士屋中田店 食品担当 高橋豊茂さん>
「価格は毎月少しずつ上がっています。毎日食べるものですので、非常にこちらも心苦しい」

店には備蓄米がまだ届いておらず、数量限定で特売価格のコメを店頭に並べ客足が遠のくのを防いでいます。

<富士屋中田店 高橋さん>
「当店としては、こちら、奉仕品として、1家族1袋の数量制限はありますが、そういった形で、お客様に少しでも家計の助けとなるように努力しております」

コメの流通に詳しい専門家は価格が落ち着くには時間がかかると指摘します。

<流通経済研究所 折笠俊輔主席研究員>
「日本国内で700万トンくらいコメの消費があるなかで、放出された備蓄米20万トン、要は3%くらいですので、新米とか早場米といわれる九州の方の早く出てくる9月以降にならないとなかなか落ち着いてこない」

一方、生産者が安心して栽培できるよう消費を続けることも大切だと話します。

<流通経済研究所 折笠主席研究員>
「むしろ食べる量を減らせば減らすほどコメは高くなり、積極的に食べていただくほど、数年後見たら、必ず価格は安く安定化しますので、支えるという意味でも積極的に食べていただくのが長期的にはいいと思う」

長引く令和のコメ騒動。政府は、夏まで備蓄米を放出するとしていますが価格の安定につながるかは不透明な状況です。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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