コメの価格高騰が続く中、政府が放出した備蓄米が静岡県内の店頭に並び始めました。気になる味と値段はどうなのか、探りました。
鶏白湯スープが自慢の静岡市のラーメン店「麺や厨本店」では、4月1日から、おかわり自由のご飯の提供を休止しました。
<社会部 大西晴季記者>
「お店の窓には、ライス休止のお知らせと書かれた紙が貼られています」
その理由はやはりコメの高騰です。
<「麺や厨本店」マニス店長>
「今までそういう一気に急に値上がりしたことはなかった。もう初めて」
ご飯の代わりにランチタイムに「麺の大盛無料」のサービスも始めましたが、常連客からは、復活を求める声が多いと言います。
<マニス店長>
「やはり(白米を)出したい気持ちがすごくあるが、なかなかちょっと今の条件だとちょっと厳しいな感じで、やはり心が苦しい」
農林水産省によりますと、全国のスーパーでのコメの平均価格は3月23日までの1週間で、5キロあたり4197円、高騰は止まりません。
<大西記者>
「SBSの取材では、備蓄米が静岡市内の複数のスーパーで販売されていることが分かりました」
販売している商品は袋に「備蓄米」の表記はなく、裏には「複数原料米」とのみ記載されています。静岡県内のスーパーでは、3月末から一部で販売が確認され、価格は店舗によって異なりますが、5キロあたり3,000円台半ばから後半と、一般的な銘柄米と比べて、500円から1,000円ほど安くなっています。
気になるのは備蓄米の味はどうなのか。備蓄米を料理研究家と一緒に炊いてみることにしました。
<料理研究家 岩本友恵さん>
Q. 見た目は?
「通常のコメと見た目の部分ではほぼ変わらない」
一度水を切り、ふっくらと炊き上げるために30分間、水を吸わせます。今回は、5キロ約4,400円の銘柄米も同じ方法で炊き、備蓄米と比較しました。
<岩本さん>
「比較してみて大きな差があるかって言うと、そんなにはないような気がする」
仕上がり具合はどうでしょうか。
<岩本さん>
「甘みもあるし、あと、やはりつやもそう、粒の感じもすごく良いので、とても品質が良いコメだと思う。今回のことで、選択肢の中に備蓄米っていうものが広がって、コメを選ぶ際にもいろんな選択肢がこう広がったという部分があると思う」