
小泉進次郎農水大臣は6月10日、備蓄米を追加で20万トン放出すると発表しました。静岡県内のコメ農家のなかには、政府に対して備蓄米や輸入米に頼らない先を見据えた対策を訴える人もいます。
<小泉進次郎農水大臣>
「新たに(令和)3年産10万トン、2年産10万トンの計20万トンを売り渡す。備蓄米が早く安く消費者の皆様のお手元に届くように、スピードを緩めずに対応していきたい」
小泉農水大臣は、政府備蓄米を追加で20万トン放出すると発表しました。5月26日から6月1日までに全国のスーパーで販売されたコメ5キロあたりの平均価格は4223円。2週連続の値下がりですが、2024年の同じ時期と比べて2倍近くの価格です。
浜松市のコメ農家・藤松泰通さんは、コメ農家が立ち行かなくなってしまうこと心配し、政府に対して備蓄米や輸入米に頼らない政策を進めてほしいと訴えています。
<コメ農家 藤松泰通さん>
「今のお米の価格も上がりすぎると米離れが起こってしまうので。輸入米を入れろという話になってくるので。そうすると、国内のコメ農家は、今平均年齢も70歳以上になったのかな。そのくらいなので。そうなってしまうとやる人がいなくなってしまう。食と農を守ることは国防です」
藤松さんは、全国のコメ農家や酪農家たちが一斉蜂起した「令和の百姓一揆」の実行委員を務めています。2025年3月に都内で行ったデモでは、トラクターに乗って先導しました。
<藤松さん>
「生産者としても、米離れをして食べなくなってしまうというのが、一番恐れている。困ることでもある。生産者と消費者が一緒になって、何が一番いいのかをという答えをお互いに見つけ出していくいい機会だと思う。現場の農家として、現状を訴えていかないといけないなと思って参加した」
藤松さんは、「お米が食べられない日が来ないように備蓄米など、その場しのぎではなく、農業を持続可能にする法整備をしてほしい」と願っています。