コメの価格がまた最高値を更新しました。4月21日、農林水産省が発表したコメの平均価格は5キロあたり4217円と15週連続で値上げとなりました。一方、コメ農家は、度重なる資材の高騰により「ある程度の高値で続いてほしい」と複雑な心境のようです。

サケと枝豆を混ぜ込んだおにぎりや…醤油に漬けた卵黄がのったおにぎり。地元の特産・御殿場コシヒカリを使った静岡県御殿場市のおにぎり店です。週末は、多い時で1日70合のコメを炊くため、価格高騰の影響は大きいといいます。
<お結びやぶう 三森美樹子女将>
「これは御殿場コシヒカリの厳選特Aっていうシリーズのもの。とにかく粒が大きい。冷めてしっかり水分が含まれていて甘みが出て美味しい」
Q.仕入れ値は上がっている?
「上がっていますね、もう倍です。オープンした時と比べると」
具材を自家製で作るなどしてコストを抑えながら、値上げをせずにおいしいおむすびを提供し続けています。
<お結びやぶう 三森美樹子女将>
「第一産業である農家さんに安くしろっていうのは大変だと思うんです。とにかくある程度の基準値っていうのが出て、正常にお米が出回るのが一番かなと思う」

農林水産省が4月21日に発表した全国のスーパーのコメの平均価格は4月13日までの1週間で5キロあたり4217円。15週連続で値上がりしていて、再び最高値を更新しました。
静岡県藤枝市でコメを育てる農家です。東京ドーム2.5個分の田んぼを擁していて、前の週から田植えを始めました。コメの価格が安定しない中、肥料や殺虫剤など、さまざまな資材も値上がりしていて、頭を抱えているといいます。

<ファーミング藤枝 金澤良和さん>
「いろいろ値上げされているものがある中でも化学肥料が一番値上げ幅が大きい。1.5倍くらいにはなっているので、経営を圧迫している1つ。2、3年前くらいに急に上がってように記憶している」
消費者の立場になると、現在のコメの価格は高いとしながらも農家として経営を安定させるためには、ある程度の高値で市場に回ってほしいと複雑な心境を見せました。
<ファーミング藤枝 金澤良和さん>
「小売価格は自分が買う立場で考えた場合、高いと思うので、小売価格が低くなればなと思う反面、すべての生産費用が上がっていますので、昔の値段ではとても農業経営はできないので、ある程度の高値で続いて安定してもらうことは生産者にとって重要だと思う」
日本の伝統的な食文化を脅かす令和のコメ騒動。政府は3回目の備蓄米放出を行う予定ですが、価格の安定につながるかは不透明です。