
コメの価格高騰を受け、主食をパンに切り替えたという人も多いのではないでしょうか。パンの需要が高まっているという見方もある中、ベーカリーでは原材料の相次ぐ値上がりに苦しむ日々が続いています。
「当店人気のカレーパンが揚げたてです。いかがでしょうか」
70から80種類の豊富な品数が自慢の店「ピーターパン」です。
<ピーターパンするが工房 高良くるみ店長>
「こちらが、今月の新商品になります。今月は10種類くらいの新商品を開発してお店に並べています」
次々と新しいパンを販売し、店の活気につなげています。

東京商工リサーチによりますと、パン店の倒産件数がここ3年は増加していたものの、今年の4か月間でみると2024年と比べ急激に減少。背景にあるとみられるのはコメの価格高騰です。調査会社は「コメが高騰し、パンの需要が盛り返した可能性がある」と分析しています。一方で、現場では原材料の高騰に頭を悩ませています。
<高良店長>
「かなり苦しい」
ピーターパンでも、ウインナーやチーズ、ナッツなどの具材の価格が2024年よりも1割から2割ほど上がっているといいます。しかし、販売価格を大幅に値上げするのは難しいといいます。
<高良店長>
「やっぱり来店するお客様にワクワクしてもらったり、幸せになってもらったりしてほしいっていうのがあるので、ちょっとでも(価格を)抑えてパンの販売を行うように意識している」
その上で、オープン当初から続けている無料のコーヒーサービスは、コーヒー豆の値上がりもある中で継続しています。
<買いに来た客>
「パンも手頃だと思う、美味しくて。コーヒーもタダだし、また来ちゃいますよね」
パンの価格について経済の専門家は、今後上がっていく可能性があるとみています。
<静岡経済研究所 清亮介研究員>
「材料の価格が上昇していることと合わせて、光熱費もまだまだ上昇している。加えて、人手不足によって人件費も今上昇しているってことで、やはり今後も上昇する可能性があると考えている」
コメの高騰がパンの需要を支える一方、パン業界も値上げに立ち向かう努力を続けています。