
コメの値下げに向け、5月26日、農水省がスペシャルチームを立ち上げるなど、コメ離れを防ぐ取り組みが加速しています。依然として高い米ですが、伊豆の旅館ではご飯の「おかわり」を維持して客の笑顔を守ろうと努力を続けています。
<小泉進次郎 農林水産大臣>
「小売価格では、5キロあたり2000円程度となる水準に。早ければ6月上旬にも店頭に並べることができると考えている」
農水省は26日、備蓄米の放出について新方式を発表しました。これまでの競争入札を取りやめ、国がスーパーなどの大手小売り業者を任意で選び、直接売り渡します。コメの価格を下げるための動きが活発化するなか、コメを扱うサービス業の現場では日々、試行錯誤が続いています。
<宿泊客>
Q. きょう何杯ですか?
「私3杯」
Q. 普段は家で3杯食べますか?
「食べない。1杯」
伊豆長岡の温泉旅館「おおとり荘」(静岡県伊豆の国市)では、朝食でご飯を好きなだけおかわりできます。この日は60人分の朝食に向けて60合のコメを炊きました。コメの仕入れ値は、3年前と比べて倍以上に上がっていますが、ここ数か月「おかわり」の量も増えています。
<おおとり荘 村山宇司料理長>
「大体、今までは、お客さん1人に対して0.6合、0.7合くらい。今は0.8合ないと足りない。確実に増えている」
旅館に来た時くらいは、お腹いっぱいにおいしいものを食べてもらいたい。その思いで働く支配人の原さんは最近、客の声にショックを受けました。
<おおとり荘 原勝政支配人>
「ある時に子どもが『お母さん、久しぶりのご飯だね』ってひとことがあったので『え!』って。そんな声聞いたことなかったので、普段麺類とかパン類が多いのかなって感じはしたので、そういうことは今年初めてだったのでびっくりした」
おかわりし放題を続けるため、旅館ではおかずのボリュームを増やしました。おかずでお腹を満たしてもらう狙いです。また、夕飯を1杯でも満足感のある「釜めし」にするなど工夫を重ねています。
<原支配人>
「旅館というのはちょうどいいではだめ、ちょっと余るくらいじゃないとみなさんご満足していただけないと思っているので、喜んで帰っていただきたいので、その辺は我慢しかないと思っている」