「パン1枚とご飯1膳の価格が逆転」コメ高騰で“主食”選びに異変 100円台のスーパー内ベーカリーが活況 =静岡市

コメの価格が高騰し、家計への影響が広がる中、静岡市のスーパーマーケットではパンの売り場が活気づいています。主食に何を選ぶか。コメの現状を受けてか、消費者の選択肢が広がっているようです。

静岡市葵区人宿町のおにぎり専門店「おにぎりくぼた」。静岡県内産の新米を使った食べ応えのあるおにぎりが人気ですが、店ではコメの価格高騰に悩む日々が続いています。

<おにぎりくぼた 久保田真以店主>
「コメが高くなっちゃっている分、コメ離れしてしまうのもさみしい。大きいおにぎりをぜいたくに食べてほしい、でも値段は上げたくない。今のまま頑張っていきたい」

コメの価格は11月、半年ぶりに過去最高を更新しました。11月28日の農林水産省の発表によりますと、5キロあたりの平均価格は、前の週から52円上がって4312円。依然、4000円台の高値が続いています。

パン1枚とご飯1膳の価格が逆転したという研究結果も 

スーパーでは客の傾向に変化が起きています。店内で焼きたてパンを提供する「インストアベーカリー」です。13年前に登場した「田子重ベーカリー」ですが、ここ最近は特に好調だといいます。

<田子重下川原店 赤坂真彦店長>
「コメの売価が上がった段階からベーカリー部門としては全体的に売れ行きが良くなっているので(コメ高騰の)影響もあると思う」

最大の特徴はその価格。店内で作ることでコストを下げ、100円台の商品がずらりと並びます。

<買い物客>
「これは130円だから安いよね、2、3個買う」
「(買うのは)パンが増えました。手頃でおいしく味もいいから買っています」

現在、パン1枚とご飯1膳の価格が逆転しています。2023年はご飯1膳が、食パン1枚と比べて14円安かったのが、コメの価格高騰によって、2025年はコメがパンより13円高くなったという研究結果も出ています。

さらに、この店では主食の選択肢が広がっていることを店全体でも実感しているといいます。

<田子重下川原店 赤坂真彦店長>
「乾麺、カップ麺、パスタなど麺類の売れ行きが良くなっています。今はコメの入荷も安定してきましたのでコメも買っていただいて、たくさんの商品を楽しんでいただけたら」

先行きが不透明なコメの価格。主食をめぐる消費者の選択はこれからも揺れそうです。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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