「皮がほんわり」商店街育ちの4代目が守るどら焼き(静岡・焼津市「和洋菓子ヤマカワ」)【昭和100年愛されごはん】

2025年は昭和元年から数えて100年目。愛され続ける名店の味を紹介します。今回はどら焼きが評判の静岡県焼津市の菓子店です。商店街で育った4代目が創業から100年を超える店を守っています。

<客>
「旦那の好きな味噌饅頭と私の好きなどら焼きにした」
Q.どら焼き好きなのか?
「大好き。皮がほんわりしてるの」

焼津市の昭和通り商店街にある「和洋菓子ヤマカワ」。創業100年を超えるこの店の看板商品は、どら焼き。ふっくらと焼き上げた生地にぎっしり詰まったあんが売りです。

店主の山川剛広さん。この店の4代目です。東京で8年間、和菓子を学び、20年ほど前に店を継ぎました。

<和洋菓子ヤマカワ 山川剛広店主>
「これは北海道の有機栽培の大納言を使っている」

2日間かけて作る、自家製のあん。ゆで加減を見ながら、小豆の状態に神経を注ぎます。

<山川剛広店主>
「豆の周りに皮があって、中のものが『呉』。『呉』というものが入っているが、でんぷん質で、皮が破れない程度で、中の『呉』がしっかり煮えているかどうかが勝負」

水を加えながら、2時間かけてじっくり煮ていきます。

剛広さんのお菓子づくりに欠かせない道具があります。

<山川剛広店主>
「じいさんの時から使っている年代物。ゆらゆらしてる状態がぴったりなので、これだとこれぐらいだなって、最後ゆっくりにしてやるとだいたいピタッと。こっちの方が早い」

このはかりで菓子作りをしていたのは、剛広さんの祖父・2代目の甲子夫さんです。剛広さんは子どもの頃から祖父のお菓子づくりを間近に見て、この商店街で育ちました。

かつて昭和通りには、アーケードがあり、100以上の店舗が軒を連ねていました。

<山川剛広店主>
「毎日お祭りやってるみたいな感じだった。飲食店もすごく多くて、買い物に来る人とご飯を食べに来る人と遊びに来る人とみんないたので、ショッピングモールみたいな感じ。活気あった」「商店街も人が少なくなってきて、店も少なくなってきているので、これで少しでも開けている店があれば、焼津の元気にもつながるし」

あん作りの次は、皮を焼きます。たっぷりのあんをのせ、やさしく包みます。

<山川剛広店主>
「おいしそうじゃないですか。ふっくらしてて。じいちゃんが使っていたボロボロの焼き印だけど」

焼き印を入れて完成です。

<山川剛広店主>
「こんな感じでずっと仕事しながら、しゃべりながらお菓子をちょっと作って、お客さんが来てくれれば最高。やめないこと。やめないこと」

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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