創業から約50年、3代目が継ぐ昭和レトロな「喫茶ヴィーナス」 名物は"富士宮焼きそば宇宙セット"【昭和100年愛されごはん】

2025年は昭和元年から数えて100年。時代を超えて愛され続ける名店の味を紹介します。今回は富士宮市にある創業約50年の喫茶店です。名物は富士宮焼きそばです。

店内は温かみがあって、レトロでタイムスリップしたかのような雰囲気。今では珍しい公衆電話もあります。

富士宮市にある「喫茶ヴィーナス」。創業は1976年(昭和51年)で、店のコンセプトは「ほっと一息できる場所」です。3代目の廣瀬桜さんは10年ほど前に店を引き継ぎました。人気メニューは?

<喫茶ヴィーナス 3代目店主 廣瀬桜さん>
「富士宮焼きそばの宇宙セットでございます。小さなお子様も大人の方も大好きなハンバーグと焼きそばのセットです。UFOの形のライスがついています」

もう一つの人気セットメニューが、富士宮焼きそばとサラダ、エビピラフも付いたパラダイスのようなメニューの「富士宮焼きそばパラダイス」。そして自慢のスイーツ「ヴィーナスパフェ」です。

店名の由来となった「ビーナス像」とコーヒー豆が敷き詰められたテーブル

桜さんの母親で2代目オーナーの廣瀬祐子さんは、「父がこの店を始めて49年前に。(店は)もう、全く一緒です。何も私手を入れてないので」と話します。店の名前「ヴィーナス」の由来となったビーナス像が店を見守っています。

<喫茶ヴィーナス 2代目オーナー 廣瀬祐子さん>
「ビーナスも『ヒ』に『゛』のビーナスは普通だと。それで『ウ』に『゛』の小さい『ィ』のヴィーナスにするって。ま、父が最終的に決めました」

テーブルにも初代オーナーの思い出があるそうです。

<喫茶ヴィーナス 2代目オーナー 廣瀬祐子さん>
「これコーヒー豆を入れられるように父が頼んで作ったんですよ。中が空洞になってて、コーヒー豆が敷き詰めてあるんですけど。その当時、インベーダーゲームが喫茶店には流行っていて置いてある所がすごく多かったんですよ。

父は絶対、うちの店はインベーダ―ゲームなんて置く店じゃないって言って、これで通したんですよ。でもこれがお客様たちがすごいびっくりされて。だからこのテーブル49年前ですよね、つくったのが」

「生まれたころからあった店をなくしたくない」

40年以上通い続けている60代の男性常連客は店の魅力をこう語ります。

「僕が若い時も若いなりに良かったし、同じように年を取ってきてもそれなりに合うっていうのも一番だと思う。あったかい感じが自分で自然に感じるとこですよね。そこにコーヒーとか温かいものを飲むと落ち着く」

祐子さんの父親で初代オーナーの貞次さんは、生前、孫の桜さんに「店を引き継いでほしい」と言っていたそうです。

<喫茶ヴィーナス 3代目店主 廣瀬桜さん>
「おじいちゃんがその頃入院してたんですけど、私に『継いで』って言ってたんです。それがうんと耳の中に残っていて、やっぱり自分が本当に生まれたころからあった店だったので、なくしたくないなっていう思いがすごい強くなったんです」

<喫茶ヴィーナス 2代目オーナー 廣瀬祐子さん>
「うちの父の希望でもありましたからね。初孫でとても可愛がっていまして。あと、何年続くか分かりませんけど娘がもうだめっていう時までは頑張ってもらいたいなと思ってます」

創業からまもなく50年。貞次さんの味を3代目の桜さんが守り続けています。

「あしたを“ちょっと”幸せに ヒントはきょうのニュースから」をコンセプトに、静岡県内でその日起きた出来事を詳しく、わかりやすく、そして、丁寧にお伝えするニュース番組です。月〜金18:15OA

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